2015年 原題:The Martian(火星の人) リドリー・スコット監督。マット・ディモン主演。ベストセラーの映画化です。オデッセイ(字幕版)(Amazonプライム)
オデッセイという邦題は抜群だと思います。ホメロスの壮大な旅の叙事詩から、「2001年宇宙の旅」の原題:A Space Odyssey も連想させる広がりのある題ですね。でも映画はどこかコミカルでした。
あらすじ
宇宙飛行士のマーク(マット・ディモン)は火星探査チームの一員に参加していた。あるとき不慮の事故が起き、マークは仲間に死んだと思われ、火星に一人取り残されてしまう。
壊れた施設を生活できる用に補修し、水を作り出し、また土を作って新たに栽培をしたり、何とか生き延びようとする。しかし次のミッションのクルーがやってくるのは4年後の予定だった・・。
感想
かなり悲惨な話ですが、実際の映画はどこかコミカルに描かれています。
マット・ディモンは作品によって体を鍛えたり、役作りが凄い人ですが、この映画では数年間食料を節約しながら、ということなので、ずいぶんダイエットして臨んだようです。ただし最も痩せたシーンでは顔が映らなかったのでここは吹替だったみたいです。
しかし本当に火星に取り残されたりしたら、精神的に崩壊することなく、水を作ったりジャガイモの栽培なんてできるだろうか。確かにそういう強靭な人が宇宙飛行士に選ばれるんでしょうけど。
マークが宇宙でがんばり、地球の人々に生存が知られるまでのあたりまでの展開は「どうなる?」と身を乗り出して見ていましたが、途中から中国の力無くしては助けることができないような展開となり、それ以降宇宙遊泳のシーンもすべて軽々しい印象に変わりました。
前半と後半では違う映画を観ているよう。
救いは、マークの上司のメリッサ(ジェシカ・チャスティン)が70年代の音楽が好きで、それが宇宙船に残っており、しかたなくずっとそれを流している、というところ。その選曲が結構洒落ていました。
ただし「恋のサバイバル」は、やっぱりこの曲か、と思ってしまいました。ひねりが無く残念。
マット・ディモンの映画は結構よく見ていますが、ボーンシリーズを除いて、「あと1つ、何か足りない」って思うのが多いと感じます。
それはたぶん、期待度に対しての結果が普通だからですね。これもまた大スターの宿命でしょうか。