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サスペンス

『インサイドマン』映画のあらすじと感想/内通者を意味するスラング

2006年 スパイク・リー監督 原題:Inside Man デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター。

あらすじ

マンハッタンの銀行で強盗事件が発生。警察、銀行強盗、両者とも譲らず神経をすり減らすような心理戦を展開する中、銀行の女性顧問弁護士(ジョディ・フォスター)が交渉人として現場にやってくる。

感想

さすがスパイク・リーと思える演出で中盤まではぐいぐい引き込まれる展開でした。少し未来のことをセピア色で挿入しつつ、現在の事件を描いていくというおしゃれな手法。

ただし中盤でジョディ・フォスターが登場してから、なぜか展開がゆっくりに。スターが登場したけどそれは別にね?

またInside Manという意味深な題から、さまざまな内通者を想像してしまうのですが、果たしてほんとうのところはどうなんだろうとモヤモヤしたまま映画は終わります。

ストーリーの一貫性とは、どのようなジャンルにおいても私は必要だと思っています。展開が変わったり、スピードが変わるのは演出上ありうることですが、説明の度合いに一貫性が無いと、これはちゃんと説明されているがこれは想像しろということになり、ストーリーの破綻につながりかねないかと。

それが演出上の必要な強弱であるのか、不必要もしくは「やりすぎ」なのか、あまりに深く考えさせられると観客は面倒になっちゃいます。

ネット上で考察も流れていますが、ウラが取れている考察ばかりではなくかえって混乱しそうです。

そういうわけでこの映画、序盤のワクワクは、ラストのモヤモヤで吹っ飛んでしまった、惜しい作品であります。