2019年 ひょっとしたら、後年、ウディ・アレン監督の「晩年の凡作」とでも評されそうですが、私は惜しい作品だと思っています。
あらすじ
大学生のカップル、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)は、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。
そのきっかけとなったのは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをするチャンスに恵まれたことだった。
生粋のニューヨーカーのギャッツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するためのさまざまなプランを詰め込む。しかし、その計画は狂い出し、思いもよらないさまざまな出来事が巻き起こってしまう。映画.com
少しネタバレ感想
いつのニューヨークなの?というファッションが登場し最初は戸惑いましたが、その後いつもの軽快なウディ・アレンらしい展開でいつしか話に引き込まれました。
「自分にとって本物とは何か」というテーマのこの作品。いろんなことが起きて、雨の中でギャツビーは途方にくれます。
しかしそのおかげで「母親」という自分の意志に大きく影響した存在と心を割って話をすることができ、それは彼の人生の大きな転機となります。
人生の転機は、ちょっとしたことで偶然に訪れる。ウディはギャツビーを通してそう伝えたかった。しかしちょうどこの時に蒸し返されたウディ・アレンの虐待問題で、思ったように作品を作り上げることができなかったか。
もしくはもう晩年の衰えのためなのか。過去の彼の作品、たとえば「ブルージャスミン」と比較しても奥行きの無いものになっています。もちろんテーマは違いますが。
おそらく衣装の色は意図してペパーミント・オレンジ・ブルー・ベージュ・イエローと多色を使ったものと思われます。そして最後に真っ白なTシャツの彼女が現れるという。
ウディの構想は非常に良かった。しかしあの薄っぺらさはなんだろう。すごく大事なテーマなのに。ただ、理由がわかるようなら私が名監督になっていますね。
とにかくこの作品は、惜しいの一言。助演男優賞は、ギャツビーが差してた丸っこい透明なアンブレラ。雨の中で情けなくなるのをよくあらわしてました。
ところで、ポスターでネタバレしてるのはいかがなものでしょう。