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SF

『10 クローバーフィールド・レーン』映画のあらすじと感想

2016年 クローバーフィールド・ユニバースの一環として公開されたSFサスペンス。SFっぽいポスターですが、ちょっと趣は違っています。

あらすじ

恋人と別れた女性ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は車を運転中に事故に遭い、気を失う。

気が付くと見知らぬシェルターの中で目を覚まし、そこには「君を救うためにここへ連れてきた」と話す男(ジョン・グッドマン)がいた。

男はシェルターの外の世界はすでに滅びたと主張し、ミシェルと男の奇妙な共同生活が始まるのだが……。映画.com

感想

この映画、傑作とみるか、失敗作とみるか。

おそらくですが、このまま1作品としてなら、ちょっと失敗しているかもしれない。

「おお??」という思わぬ展開が、意外にお気に召す方もいれば、引いてしまう方もいそう。

しかしこれが「クローバーフィールド」という大きなシリーズの中の一つとしてなら、中々面白い作品だとみることができるのです。

netflixの「クローバーフィールド・パラドックス」も、2008年の「クローバーフィールド/HAKAISHA」も、続編関係にはないが、同じDNAを持つ作品。

おそらく大きな規模のクローバーフィールド・サーガを作ろうとしていたJ・J・エイブラムスですが、続編は頓挫してしまい、その後エイブラハムは、別の数々のヒット作を作り出しています。

だけどこれ、そのままじゃもったいないです。続編を作るべきです。

物語の大半が、SFらしいシーンではなく、サスペンス要素の強いこの作品。クローバーフィールド・ユニバースの中では異色の作品ではあるものの、「こんな事情の人もいる」という逸話としては実に面白いものになっています。

世界がこんなになっちゃってる、で、そのとき一般の人たちは例えばこうしていた・・という、あとから考えたら、まずはHAKAISHAありきの地下室なのですが、途中までの展開では謎に包まれている・・という、まったく仕掛けられたとしかいいようのないストーリー。

この仕掛けをこのままにして、ユニバースがなかったことになり、「続編ではなく血が繋がっている」と言われても、いまひとつこちらには響きません。

何らかの形で、続編が私たちにもたらされるのを切に切に望みつつ、J・J・エイブラムスが、いつか気が変わってくれることを期待します。