1991年 アカデミー賞主要5部門受賞。サイコスリラー映画で作品賞を受賞した唯一の作品。ジョディ・フォスターが美しく、アンソニー・ホプキンスがとてつもなく怖い。
あらすじ
アメリカの各地で女性ばかりをねらった猟奇的殺人事件が発生していた。FBIのクラリス(ジョディ・フォスター)は、元精神科医の囚人であるレクター(アンソニー・ホプキンス)に事件についての助言を求めるために、収監されている精神病院に向かった。
レクターはクラリス自身のことを話すことと引き換えに、事件に協力することを約束する・・。
感想
残虐なシーンも多く出てくるサイコスリラー映画だけど、登場人物が一流俳優ですばらしく、ストーリーも原作があるためか実に練られた話になっており、まったく飽きさせず怖いけれど目を覆うこともなく最後まで鑑賞できた作品でした。
サイコな映画がアカデミー賞を取ったのはこの作品がはじめてだったもよう。確かに当時はびっくりしたのを憶えています。
その後しばらく日本でもサイコな刑事ドラマがいくつも作られ、いまや映画やドラマが血みどろなのが当たり前のようになった気がします。この流れを作ったのはこの映画ではないかと私は思っています。
とはいえ、この映画は実に面白いです。恐ろしい場面もドキドキする場面も、レクターという忘れられないキャラクターも、美しい捜査官も、すべていい歯車がちゃんとかみ合って出来ている。
映画に引込まれる度合いを測れるとしたら、この映画は最高レベル。心拍数も最高レベルだったでしょう。それは怖さと面白さでワクワクして。
続編の「ハンニバル」にはジョディ・フォスターは出ていませんが、これも大ヒットしました。その後アンソニー・ホプキンスは、他の役をやっても、いつか猟奇的殺人を犯しそうな人に見えてしまいます。
そして、「羊」という言葉が、なんだか恐ろしいキーワードみたいになったのもこの映画以降。おとなしくてかわいい動物なのにね。