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『アイデンティティー』映画のあらすじ&感想/これは超おすすめです

2003年 ジョン・キューザック主演。2重構造のストーリーは実に秀逸な脚本と言えます。ただの殺人事件モノではありません。

あらすじ

豪雨のために交通が遮断され、さびれたモーテルに泊まることになった10人の男女は、若いカップル、わがままな女優とそのマネージャー(ジョン・キューザック)、囚人と彼を護送する刑事(レイ・リオッタ)、子供連れの夫婦など。

まもなく女優が行方不明になり、その頭部が乾燥機の中で発見される。犯人は誰なのか? その目的は? 謎の犯人は殺人を続けていく。映画.com

感想

この物語はただの殺人事件モノではありません。

連続殺人犯の精神鑑定医のシーンからはじまるのですが、そこをスルーっと流してはいけません。後で大きな意味を持ちます。

2重構造の実にうまい、秀逸な脚本と言えるこの作品。あまりネタばらしをしたくないので詳しく言えませんが、とにかくよくできています。

ジョン・キューザックの脂ののった演技と、レイ・リオッタの不穏過ぎる存在感。そして忘れてはならないのはあの重要な人物。「海の上のピアニスト」でトランペッターを演じたプルイット・テイラー・ヴィンス。彼以外にこの人物を演じられない、と思ってしまうぐらいです。

ただ、これだけの面白さがありながら、なぜだか大ヒットとまではなりませんでした。

理由はわかります。人々はおおむね、型通りの筋書きを好んでいるからです。

しかし、そうでない人にとっては、この映画はきっとドハマリする作品となることでしょう。