2021年 M・ナイト・シャマラン監督が、今度はビーチを舞台に怖くてドキドキの世界を作り上げました。
あらすじ
人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。
ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。
しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。
ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。映画.com
感想
いや、これ解決するの?って思うようなお話。
だけどシャマラン監督が、ただのスリラーで終わらせるわけがない、という思いを抱く暇も一瞬しかないぐらい、次々と怖いことになる、ドキドキしながらワクワクする映画でした。
もちろん、人の気持ちに寄り添う部分もあり、ジーンと涙が湧いてくる場面も、あの「シックスセンス」を思わせます。
ビーチでの異常な出来事が際立つための、それまでのホテルの素敵な設えや、夫婦・親子の関係が、あとになってちゃんと生きてくるようになっている。
オープニングからクライマックスまでの、人間にとって心地よいリズムで展開していく場面の移り変わりは、「監督さすが」の一言。また観客が「どうなってるの?見たい」と思うシーンでのじらし方の間の良さ。憎いほどうまいと思いました。
ただラストの締めくくりは、好きな人と物足りない人に別れる気がします。ホラーではないのでまったく救いが無いのはどうかと思いますが、私はもう少し怖い終わり方が良かった派です。