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スター誕生/映画のあらすじ&感想/アメリカは燃えていた

1976年公開。バーバラ・ストライサンドの抜群にうまい歌が全編を彩ります。2018年のアリー/スター誕生はこれのリメイク。1937年版、1957年版もあるようです。スター誕生(字幕版)

あらすじ

人気に陰りが出始めた歌手のノーマンは酒浸りの毎日。コンサートに何時間も遅刻したり、途中で歌うのをやめたり。

そんなある日、ふらりと立ち寄ったバーで、歌っているエスターに出合う。その歌声にくぎ付けになったノーマンは、エスターにモーションをかける。

しかしエスターは相手がスターだろうと、まったく冷たい態度をくずさない。しかし強引なノーマンにいつしか心惹かれるようになっていく。

あるときノーマンのコンサートで無理やりステージに上げられる。しかたなく歌ったエスターだったが、その歌声は素晴らしく、コンサート会場に来ている人々を見事に魅了したのであった・・。




感想

バーバラ・ストライサンドは見ようによっては美人で、歌唱力は飛びぬけていて、「追憶」は知らない人がいないくらい一世を風靡しました。この映画の楽曲はアカデミー賞を受賞しています。

相手役のクリス・クリストファーソンもカントリーの歌手で俳優さん。「コンボイ」や「天国の門」が有名。ヒゲのある長身の人で結構人気がありました。

さて、映画の最初のライブのシーンですが、これは圧巻でした。1970年代のアメリカの雰囲気が伝わり、映画全体を引き締めています。

2018年の「アリー/スター誕生」と見比べようと思って見ました。こんなふうにいつでも家庭で古い映画もいい画質で見られる時代。しかも「比べてやろう」と思って見られてしまうなんて、作り手の人たちはたいへんです。

この映画だけの感想はというと、まず「バーバラがかわいい。そして歌がうまい」ということ。話の筋がなんだったか薄れてしまうぐらいバーバラの個性が強く、まるで彼女のプロモーション・ビデオのようでした。

ストーリーは単純といえば単純。夫婦が同じ職業で、しかもアーティスト。女のほうが抜きん出ると世間はいろいろ言うし、いつしかすきま風が・・というのは古今東西あるあるですね。

バーバラがドレスを着て歌うシーンが無かったのは残念で、これも時代背景かもしれません。女の人はみんなパンタロンというズボンを履いていた。ウーマン・リブの時代です。

いつもドラッグと酒浸りでぶっ飛んでるリッチな人気歌手がいる、というのも70年代ならでは。70年代を再現した映画も最近時々見かけますが、70年代に作られた映画ならではのリアルな感じがすごく良かった。

バーバラもクリスも熱量が高く、役者としてのパワーを感じます。この時代の映画の勢いみたいなもの、いくらCGや仕掛けが凄くても絶対に今の映画には感じられない何かがある。それってなんだろう・・。映画の作り手の情熱というのか、映画人すべての熱量というか。とにかくアメリカ映画は70年代燃えていました。

ジ・エッセンシャル・バーブラ・ストライサンド


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