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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』映画のあらすじ&感想

2016年公開。まあ、なんとも暗いお話なのですが。
マンチェスター・バイ・ザ・シー (字幕版)

ともあれ、マンチェスターの風景とともに、心にずんと残る内容ではありました。
ケーシー・アフレックはいい俳優さんだと思っていたので、アカデミー主演男優賞をもらったときはとてもうれしかったのですが、この暗い作品で・・と思うと、少し複雑。

あらすじ

マンチェスターを離れ、便利屋をしながら一人で暮らしているリー(ケーシー・アフレック)。接客態度が悪くて苦情が出るほどだが、それには理由があった。

ある日、兄が亡くなり、甥の後見人になることになったため、久しぶりにマンチェスターにもどったリー。

彼には忘れられない不幸な過去があった。それも自らの過失で起きたことだった。

感想

物語は過去と現在を行き来しながら展開する。どうしても立ち直れないリーだが、元妻の妊娠、大人びていく甥、暖かい友達のはげましで、少しづつ心が前を向いていく。

ボストンのアパートには家具は何も要らないと言っていたのが、ラストシーンでは甥が遊びに来るためにソファーを買う、と言う。

映画はここで終わります。完全には立ち直っていないけれど、大丈夫だな、という余韻をのこして。

この静かなケーシーの演技は 、兄のベン・アフレックとは対照的に、とても繊細で奥深いと言えます。(ちなみに、「ブリザード」では完全に主役のクリス・パインを食っていました。)

そして元奥さん役のミシェル・ウィリアムズも安定のいい演技。

たしかな余韻を心に残すいい作品だという感想とともに、女性のほうが男性よりも立ち直りが早いという不文律を確認した物語でした。