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『15時17分、パリ行き』映画のあらすじ&感想/リアルということの凄さ

2018年 クリント・イーストウッド監督。やっぱり、こんないい映画でしたか。ネットの評判はいまいちでしたが、見てみないとわからないですね。
15時17分、パリ行き(字幕版)

あらすじ

ヨーロッパ旅行に来ていたアメリカ空軍のスペンサー、オレゴン州軍のアレク、一般人のアンソニーは子供の頃からの親友同士。

それまでの家庭の事情や、軍に入ってからの苦労など、お互いいろいろあっても親友でいた。

その日、3人はアムステルダムから15時17分、パリ行きの列車に乗り込む。しかしその列車には無差別テロを実行しようとする男が乗り合わせていた。

男が自動小銃を発砲し、乗客が重傷を負った。スペンサーは無我夢中で男に飛びついていた・・。

感想

この作品の一番の売りは、「本人たちが演じていること」です。

パリ行きの列車の中で起きた、「ダラス銃撃事件」を題材にした原作の映画化ですが、映画化に当たってイーストウッド監督は、事件を解決した3人の若者たちに、本人役で演じてもらうことを思いつきます。

このことだけを聞くと、ドキュメンタリードラマ、再現ドラマの域を出ないのではないかと想像してしまいます。しかしイーストウッド監督はただモノではありませんでした。

本人たちが演じることの迫力。3人の親友同士が、どんな人生を生きてきたかを淡々と描きながら、導かれるようにその事件に遭遇するのです。

2人はたまたま軍人で、いつか、何かの役に立ちたいと思っている。1人は民間人ですが、そんな2人のことが小さいころから大好きです。そんな3人がヨーロッパ旅行の途中でたまたま事件にであい、そして咄嗟に犯人に向かっていきました。

咄嗟に動いたという事実を見たとき、そのときどうしても感動して涙せずにはいられませんでした。

イーストウッド監督とスタッフで作り上げた、マジックのような映画です。犯人を取り押さえた瞬間、ほんとうに感動しました。リアルというマジックに。