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『神々の山嶺(イタダキ)』映画のあらすじ&感想/山のシーンの描き方は本物

2021年 フランス。仏題:『Le Sommet des Dieux』原作は夢枕獏による小説。山の頂には神が宿るのかもしれません。

あらすじ

記録上に残るエベレストの初登頂は1953年だが、伝説的なイギリス人登山家のジョージ・マロリーが1924年6月にエベレストの山頂付近で消息を絶っていたことから、「マロリーが初登頂を成し遂げていたのかもしれない」という説もささやかれていた。

ある時、取材でネパールのカトマンズを訪れた雑誌カメラマンの深町誠は、長らく消息不明になっていた孤高の登山家・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃する。

羽生を見つけ出し、マロリーの謎を突き止めようと考えた深町は、羽生の人生の軌跡を追い始めるが、尋常ならざる執念で危険な山に挑み続ける羽生という男の人間性に次第に魅了されていく。

やがて2人の運命は交わり、冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む羽生に、深町も同行することになるが……。映画com.

感想

エベレストという映画を観たときに、「なぜ人が山に登るのか、その気持ちがわかった気がする」と書きました。

「そこに山があるから」というのはあまりにも有名な言葉ですが、山の映画についても同じようなことが言えるのではないかと。なぜ山の映画を観るのか。「そこに山の映画があるから」です。

エベレストで山の映画に目覚めて以来、山の映画があるとどうしても惹かれます。

ただこの「神々の山嶺」は日本で実写映画化された作品もありますが、それにはどうしても食指が動きません。

しかしアニメ版のこの作品の予告編を見た瞬間、「あ、これは」と惹かれるものがありました。

「これは本物の山の映画だ」

そういう勘はピタリと当たります。アニメなので、山は絵です。当たり前ですが。

でもこの映画は、山を描いた本物の映画だと言えます。

エベレストなどの雪山のシーン、断崖絶壁のシーン、日本の街並み、ネパールの街、とてもきれいな絵ではありますが、簡素と言えなくもない。しかしそこには山人の心がある。

心がある作品は、観るものの心をひきつけるのです。

雪中のテントですする熱いコーヒーのシーン。ザイルで氷壁を突き差す音。そして美しく荘厳なエベレスト。山のシーンは本当に素晴らしいです。

私は山に登ったことがまったく無いのですが、それなのになぜか山に登る人の気持ちがわかっていく気がする。
それこそが映画による疑似体験なのでしょうね。

気になる点は日本人の顔がみんな同じで目が細いこと。そう見えているのでしょうけどちょっとひどいです。
くりくり眼の絵だったら、日本でもっとヒットしたかもです。