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ATOM/あらすじ&感想/手塚治虫原作

2009年公開。香港の制作会社IMAGIの制作。アメリカ・中国・日本で公開された大作映画です。しかし興行収入はふるいませんでした。作品の完成度は抜群に高いのに、大ヒットしなかったのはどうしてなのでしょう。
ATOM(字幕版)




あらすじ

未来の地球、なんでもロボットがやってくれる文明の発達した空中都市に上流階級の人間は暮らしている。

そこでロボット工学の第一人者テンマ博士も暮らしていたが、息子のトビーが不慮の事故で命を落としてしまった。

悲しみに暮れるテンマ博士は、トビーにそっくりなロボットを作る。しかしそれはやはりトビーとは違っていた。やがてテンマ博士は彼を遠ざけてしまう。

そのロボットは最新鋭の性能を備えており、新しいエネルギー・ブルーコアを搭載していたため、それを狙う大統領たちに追われることに。

そうして地上に逃げ延び、出会った仲間たちに「アトム」と命名される。アトムは地上に住む仲間たちと一緒に暮らすことになるのだった。

感想

どうしてこれがヒットしなかったのでしょう。理由はいろいろあると思いますが、一番の理由は、「展開がもたついている」ことに尽きると思います。

ストーリーにはエネルギー問題、環境問題、貧富格差問題、いろいろな要素が詰まっています。笑えるところも多く、ロボットたちもまあかわいらしいデザインです。

しかし悪役のキャラクターとテンマ博士が似通っているのが気になりますし、ニコラス・ケイジの声もあまりぱっとしなかった。悪いロボットもどこかで見たことある感が大いにありました。

ただし、そういう細かいところはどうでもよく、とにかくモタモタしていたのです。2009年の作品ですが、話の展開するスピードは90年代以前のもの。だからアトムのすることに繰り返しが多いのが鼻についてしまうのです。

展開のバランスやスピードがよければ、この作品は先駆者と言われたほどの名作とされていたような気がします。実際「ベイマックス」はいろいろなところがそっくりです。

さらに追い打ちをかけるように、ポスターデザインが非常に暗いです。吊るされたアトムの絵は、「どんな悲しい内容なんだろう」という気持ちになります。

非常に、残念です。せっかくの手塚治虫作品なのに・・。

しかし、それでも「ATOM」は大変優れたアニメだということ。それだけは声を大にしていたいです。


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