2016年 片渕須直監督。はじめは63館での公開でした。それが累計400館以上に増え、2年半ものロングラン上映を行った館もあるほどの大ヒットとなりました。製作費を調達するために、クラウドファンディングで資金を募ったことも知られています。
この世界の片隅に
あらすじ
1944年、第二次大戦の真っただ中、18歳のすずは、広島から呉の北條周作のもとに嫁ぐ。兄弟の中でもぼーっとした性格のすずは、いつも空想しながら絵を描いているような女の子だった。
北條家に嫁いでも、ぼんやりした失敗続きで、小姑の径子に怒られながらも、すずは持ち前のほんわかした性格で、毎日を明るく過ごしていた。
呉には軍港や造船所があり、戦艦や空母が入港する。そのため街は賑わっていたが、戦局が厳しくなると、その軍港は空襲の標的になった。
毎日のように爆弾が雨のように降ってきて、防空壕に逃げ込む日々。また、配給の食べ物も少なくなってきて、すずは何とか工夫して食事を作ろうとする。
失敗しながらも家族は暖かかった。そして、夫の周作もすずにはとてもやさしかった。
ある日、すずは径子の一人娘の晴美を連れて、海軍病院に入院している姑の見舞いに行く。
晴美はすずにとても懐いていた。港に寄港している船が見たい、という晴海。直後に空襲警報が鳴り響いた・・。
感想
これだけのあらすじではこの作品の良さがわかってもらえるかどうか。本当に素晴らしい作品なのです。
人物の絵も背景もシンプル。だけど伝えたいことがちゃんと伝わります。コトリンゴの曲がまた儚くて洒落ていて最高にいいです。
Blu-rayを購入し、何度も見ました。何度見ても感動します。
ただ劇場でのあの迫力の音響効果は重要だったんだなとは思いました。爆弾が落ちる音、飛行機が迫ってくる音がより深く悲しみを伝えます。
私たちが映画館でこれを見たとき、確かその週で最後だったはずで、慌てて見に行ったと記憶しています。
そのせいか館内は満員状態なのでしたが、その後翌週もその翌週もずっとやっていて、気がつくと、超ロングランでずーっとやっているという状態になっていました。
それから、のんは最高にいい仕事をしました。彼女でなければここまでの成功は無かったのではないかと思います。