2018年8月に公開されたスタジオ・ポノック制作のアニメ「小さな英雄・カニとタマゴと透明人間」の3つの短編の一つ。
ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-
あらすじ
古いアパートに暮らす青年は、ワイシャツを着て、歯を磨き、周囲と何ら変わりない。しかし彼は他の人間たちと決定的に違っていた。
彼は透明人間だったのだ。
会社でも存在を認識されず、自動ドアもATMもコンビニの店員も彼のことを認識しなかった。
いつ、どのような理由で透明人間になったのかはわからない。
彼は今、自分が存在していることに意味を完全に見失っていた・・。
感想
山下明彦さんはジブリ出身の監督さんです。
スリリングで迫力のある画面が展開する14分間の作品です。主人公が見失った自分を取り戻せるか、というハラハラのクライマックスが用意されています。
透明人間なんているはずはないけれど、透明人間のような人はいるような気がします。
それは自分自身でしか治せないことではあるけれど、この作品に出てくる盲目の老人のように、だれか助けてくれる人が現れてくれたら、どんなにいいでしょう。
盲目の老人の田中眠、最高です。田中眠そのものですけれど。
何かに悩んだとき、「おまえさん、こんなところで何してる」とドスのきいた声で言ってもらいたいような気がします。