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『ほしのこえ』映画のあらすじ&感想/なんか・・せつない映画

あの「君の名は。」の新海誠監督の、最初の劇場公開作品です。短編ながら、その後開花する才能を予感させるには十分な作品でした。ただ、この作品が完璧なものではまだ無いとは言えるでしょう。
ほしのこえ

あらすじ

2046年 中学3年生のミカコとノボルは、互いにほのかな思いを抱き、同じ高校への進学を夢見ていた。

しかし地球外生命体タルシアンの脅威にさらされていた地球人は、若い選抜メンバーを1000人以上宇宙へ派遣することを決めた。

リシテア艦隊として、タルシアンを討伐するためだ。そして、ミカコもそのメンバーに選ばれていた・・。

感想

宇宙に行った恋人と、携帯のメールでやり取りする。そして地球から遠のくにつれ、メールは届くのに時間がかかるようになり、ワープした15歳のミカコのメールは、24歳のノボルにようやく届く・・。なんて哀しいお話でしょう。そして、宇宙に行くって、なんて寂しいのでしょう。

宇宙まで遠くなくても、遠距離恋愛になってしまった恋人同士には、メールや電話で繋がっているとはいえ、会うことができない状態って、とてつもなく寂しいもの。ほんとうに独りぼっちになってしまったような、それはまるで宇宙に1人で浮かんでいるかのように。

短い作品でしたが、とても深いテーマで、なんとも悲しいお話でした。2001年と言えば「千と千尋・・」などの日本のアニメが世界的に市民権を得た時代です。

そんな中でこの掌編が、将来の日本アニメ界を席巻する監督の誕生を予感させるものであることは、言うまでもありません。