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『ソウルフル・ワールド』映画のあらすじ&感想:これが観たくてディズニー+に入会したがすぐ退会した

2020年 劇場公開はコロナのためにされず、disney+で独占配信。

あらすじ

ニューヨークに暮らし、ジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョー・ガードナーは、ついに憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。

しかし、その直後に運悪くマンホールに落下してしまい、そこから「ソウル(魂)」たちの世界に迷い込んでしまう。そこはソウルたちが人間として現世に生まれる前にどんな性格や興味を持つかを決める場所だった。

ソウルの姿になってしまったジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、22番は人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられず、何百年もソウルの姿のままだった。生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の出会いが冒険の始まりとなるが……映画com.

感想

この作品はディズニー+で公開された当時、「絶対観るべき」と話題になりました。

ようやく満を持して鑑賞しましたが、はて、ほんとうに観るべき?と疑問が残りました。

展開がドタバタしているとか、地上の話になっちゃうの?とかそういうフラストレーションもありますが、何より残念なのはラストの締めくくりでしょう。

ソウル(魂):人の生きる道について説くテーマは、101分で語るにはちょっと深すぎたかもしれません。

それでも締めくくりさえビシッとしていればまだ救いがあったと思いますが、如何せんグダグダの果てに安易な締め方。

これは映像の美しさや演奏の素晴らしさが、まるで無駄になったようにさえ思えます。

あと少し、そこに必要なものは、簡潔な表現ではなかったでしょうか。

22番との追いかけっこが長すぎて、重要なシーンの記憶が薄れてしまいます。

それはジョーがサックス奏者の言葉で、たいせつなことに気づいたというシーン。

「ある魚が海に行ってみたいと嘆いた。海にいるじゃないかと言われたが『海だって?ここは水だよ』と答えた」
この言葉はすべてを言いあらわしています。ですが扱いが軽すぎる。

ラストの10分。すべてをハッピーエンドにするなら、もう少しシンプルでも良かったのかなあと感じています。

せっかくの「枯葉が散るシーン」。 あれは本当に美しいシーンです。それだけで言葉はいらない気がしました。

枯葉が散るというだけで、それだけで森羅万象を悟るとまではいかなくても、風に舞う枯葉に、人は心を撫でられるような感覚を憶える・・

22番はそれで何かを感じ、たいせつなことに気づいた。

たいせつなものとは・・というテーマだが、これは普遍的で深いもの。

全てを説明しようとしないことで、逆に深い感動が残ったかもしれないですが、いずれにしてもこのテーマは重すぎ。

魂についてそもそも、我々地上の人間がどうこう言えることではないのかもしれません。