2018年公開。引きこもり問題は、実は日本にとっては最大に深刻な問題ではないかと私は思っています。
あらすじ
鈴木家の長男・浩一(加瀬亮)が突然亡くなった。
そのショックで記憶を失ってしまった母・悠子(原日出子)のため、父・幸男(岸辺一徳)と長女・富美(木竜麻生)が嘘をつく。
それはひきこもりだった浩一が部屋の扉を開き、家を離れ、世界に飛び出していったという、母の笑顔を守るためのやさしい嘘だった。
感想
最初はコメディータッチで話がすすむのですが、だんだんと家族のこころの内を明らかにしていく展開に、どうなるのかという思いで観てしまいます。
「引きこもり」になってしまっている人の数が、年々増えているという統計があります。その数に本当にびっくり。
日本は何かを間違えたのではないかと思う。
自分だけのことを考えて生きなくてはならないほど貧しい国ではないはずなのに、様々な弱者になかなか優しい手が差し伸べられない日本。
民間ではなく国がもっと大きく動いて、いろんな人を救う仕組みにならないものか。
そんなことをぼんやり考えながら、物語は家族が前を向く兆しを見せて終わります。だけど、死んでしまった人はもう帰らない。
この映画の役割は、ここから始まるように思います。ここから何か、輪が広がらないかと。そういう思いで作られた映画なのかなと思います。