2013年 レオナルド・ディカプリオ主演 フィッツジェラルドの1925年の小説「The Great Gatsby」(アメリカ文学を代表するあまりにも有名な小説)を原作としています。
あらすじ
ニックは7年前のことを振り返り、書き留めようとしていた。友人であるジェイ・ギャツビーのことを。
証券会社に勤めるニックはニューヨークの郊外にコテージを借りる。隣にある豪邸では毎夜豪華なパーティが開けれていた。
あるときニックは美しい従妹のデイジー夫妻と夕食をともにし、デイジーから夫が不倫していると聞かされる。大金持ちの夫の愛人は自動車整備工の妻だった。
そんなときニックのもとにギャツビーから突然パーティの招待状が届く。実はめったにパーティには顔を出さないギャツビーがこの日は華々しく登場し、これがニックとの出会いとなった。
その後ニックはギャツビーが毎夜パーティを催す理由を聞かされるのだった・・。
感想
アメリカ文学最高峰と言われる「The Great Gatsby」を、大好きな小説だと言う有名人が多くいます。かの村上春樹も「最も影響を受けた小説の一つ」に挙げており、自身で日本語訳を手掛けています。
主人公ギャツビーは謎めいた人物。1974年にロバート・レッドフォードが演じた役をレオ様がどうこなすか、と登場シーンがドキドキものでしたが、なるほどこういうふうにね、というレオギャツビーは、ちょっとワルの入った陰のある人物に。
ストーリーテラーのニックは真っ正直な人物で、まるでギャツビーの引き立て役の存在であるかのよう。その効果もあってか、何を考えているのかわからないギャツビーの人物像をうまくディカプリオに投影できています。
デイジーという女性の存在がまさに物語の核となるのですが、キャリー・マリガンの演じるデイジーが実に魅力的で、この演技がまたギャツビーの運命を大きく左右するということをちゃんと表現できています。
なんでこんな女に振り回されるの?とか絶対に思わない。この人のためなら何でもできる、的な存在を本当にうまく、はかなく演じています。
デイジーの夫を演じたジョエル・エジャートンや愛人の夫ジェイソン・クラークも演技が上手い上手い。彼らの演技は原作小説の重厚さを体現しています。
華麗なる、偉大なると言う言葉がなぜ付いたのか、ニックの回想によってそれは説明されます。
原作の終盤の文章は歴史に残るほどの「華麗な文章」だそうです。映画ではどこまでそれが表現できたのでしょう。
私は結構うまくいっているのではないかと思っています。
もちろんとうてい原作には及ばないことでしょう。それでも原作者フィッツジェラルドの見つめる方向を、ちゃんと見ているのではないかと思えたのです。