2021年 コロナ禍で何度も公開延期になりましたが、2021年3月にとうとう公開になりました。エヴァの最後を締めくくるにふさわしい、格調高い作品になっていました。
あらすじ
荒廃した大地をシンジ、アスカ、レイの3人は彷徨っていた。その後ケンスケに救助された3人は、第3村に案内される。そこは生き残った人々が力を合わせて生活している村だった。
そこでシンジはトウジとヒカリ夫妻に歓迎されるが、シンジはあまりにも重すぎる罪の意識に、会話もできなくなっていた・・。
感想
ヱヴァンゲリヲン新劇場版三部作から8年以上。ようやく25年間のエヴァが完結しました。序・破・Qを観ただけの知識で感想を書くのは、ファンの人たちに失礼だと思い、テレビシリーズすべてを観てこれを書いています。
エヴァンゲリオンシリーズの凄いところは、使徒と呼ばれる存在が、ただの悪者ではなく深い深い意味を持つ存在であること。またエヴァンゲリオンもしかり。ただの正義の味方ではありません。
さらに使途を倒すこととは全く別の、とてつもない問題も同時進行するという、25年前には画期的なストーリーでした。
そして登場人物たちの描写の細やかさ。苦悩する14歳の少年少女とそれをとりまく大人たち。25年をかけて進化しつつ描かれていく物語は、観る人の心を不思議に惹きつけていきます。
さらに新劇場版になってからの、映像の素晴らしさは言うまでもなく、実力ある声優の方たちの上手さも魅力を倍増させています。
ただし、シンエヴァだけを観てもストーリーがわからないと思いますので、是非、劇場版「序・破・Q」をご覧になり、それからシンエヴァを鑑賞していただきたいです。
私は劇場で2回観ましたが、2回目のほうが感動が大きかったです。早すぎるセリフを理解するのに時間を要したのも事実ですが、感動した理由はそこではありません。
何かがそこにあるのです。何かがある、ということしか言えません。
いい映画を観たなぁと思いながら涙ぐんでいくあの感じ。自分にとってカチッとハマった瞬間。言葉で説明ができませんが、感動していくのがわかる感じ・・。
それを感じながらの2回目の鑑賞は実に幸せな時間でした。
「あの曲」もまさにそのトリガーになっています。庵野監督とは同世代ですので、ああこの曲来たか、という感じ。1回目に見た時の余韻が2回目のときまでずっと続いていました。
ただし、この感じが観た全員の方に当てはまるのかどうかはわかりません。
それでも、これだけは間違いないと思います。作り手の人たちにとって「作り切った」と言える作品になっているのではないか。
ラストシーンを思い出しながら、私はそう強く思いました。
ところで余談ですが、仕事で何か資料を作成するときに、紫色の太文字に明るい緑のアンダーラインを引くのが最近のマイブームになっています。これは「初号機カラー」です。エヴァを知らない同僚には気づかれない、ひそかな楽しみです。
思ったほど興行収入が上がらないことについては? 全く問題ありません。エヴァに憑りつかれた人にだけがわかる世界なので。