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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語/映画の感想&あらすじ

2019年 シアーシャ・ローナン主演。ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を原作として、次女のジョーの視点で描かれています。不規則に反復する回想法によって回想シーンが入り乱れ、作品に重みは加わりましたが、ひとことで言うと、わかりづらいです。




あらすじ

ニューヨークで暮らすジョー(シアーシャ・ローナン)は作家の卵として作品を出版社に持ち込んで、時には採用されることもあった。

家庭教師をしながら下宿生活をするジョーだったが、あるとき妹のベスの具合が悪いという知らせが届く。

向かう汽車の中でジョーはマサチューセッツにいたころのことを思い出していた。

1860年代、南北戦争に牧師として父が従軍しているため、母と4人姉妹は力を合わせ慎ましく暮らしていた。

ジョーは姉のメグ(エマ・ワトソン)といっしょに行ったパーティで近くの大邸宅に住むローリー(ティモシー・シャラメ)と出会い意気投合する。

それ以降、ローリーの祖父や家庭教師も一緒に打ち解けて、賑やかな4人姉妹との交流が始まった。

感想

150年以上前のアメリカは、貧富の差や男女格差が今と比べようがないほどであったことがわかります。もちろん人種差別も。

世相は南北戦争の真っただ中で暗く、戦争で息子を失った人や、生活がとても苦しい家族がいて、それなのにとてつもない大金持ちも出て来たりします。

そんな中、主人公のジョーは「女は結婚すること」という常識に同調せず、自立して生きる人間になることを目指します。

シアーシャ・ローナンの期待通りの素晴らしい演技によって、ジョーという人物が生き生きと表現されていました。

ただし、前述したように、回想シーンの複雑さが、作品を良くしているのか逆効果なのか、悩んでしまう部分も。

さらに「なぜ今若草物語なのか」ということも頭をよぎります。

ジョーの成功や一家の幸せは、やはり基本的にお金があった、もしくは近くにお金持ちがいた、という前提条件があってこそと思えます。

そしてしかも、だからこそ私達が憧れ、わくわくした「若草物語」だったのです。

だけども2020年の今、目を見開いてみると、慎ましくも明るい4人姉妹の外側にいる、あまり幸せではない人たちのことが少しづつ見えてきてしまいます。時代が変わったのです。

そのことに対応するために、もしくははぐらかすために、あの複雑な回想法が使われたのかしら。

ジョー役のシアーシャ・ローナンは、ずば抜けた演技力と存在感を持っている女優さんですが、もしかしたら彼女の眼にもそういう部分が見えていたかな、と勘繰ってしまうのは考えすぎですね。