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『ジュディ 虹の彼方に』映画のあらすじ&感想

2019年 レネー・ゼルウィガー主演。1939年の「オズの魔法使いで世界的大スターとなったジュディ・ガーランドの晩年の日々を描きます。

あらすじ

「オズの魔法使い」のドロシー役で大スターになったジュディ・ガーランド。人気スターであるために生活は束縛され、太らないための覚せい剤入りの薬を与えられた。

やがて薬物依存で苦しむようになり、輝かしいキャリアがあっても、60年代には家賃も払えないような暮らしとなったジュディ。

離婚した3番目の夫との子供と暮らす生活費を稼ぐため、ジュディはロンドン公演を行うことになる。薬物で精神的にもボロボロの状態だったが、いざライブが始まると、ジュディは圧巻のステージを披露したのだった。

感想

レネー・ゼルウィガーは本作品でアカデミー主演女優賞を受賞しています。

「ブリジット・ジョーンズの日記」で一世を風靡してから約20年、ジュディ・ガーランドになりきった堂々の演技でした。2010年からしばらく休養したりしていましたが、そのことも芸の肥やしとなったのでしょうか。

ジュディ・ガーランドについては母がよくその名を口にしていた、という以外ほぼ知識が無かったのですが、「虹の彼方に」を歌う動画をYouTubeで見て、ああこの人かと思いました。

この人があの「オズの魔法使い」のドロシー。やせるために覚せい剤入りの薬を飲まされ、その後睡眠薬や様々な薬を飲み続け、時には精神を病み、自殺未遂をし、肝臓が常人の4倍になってしまった人。

さらに、カーネギーホールでの公演が「ショービジネス最高の一夜」と呼ばれたその人。

まさにレネーはジュディを体現していました。ほとんど最初から最後までジュディのシーンなのですが、最後まで飽きることなく彼女のセリフ、表情に惹きつけられました。

エンターテインメントの世界で光を放ち、身を削り、ボロボロになっていく1人のエンタティナー。もう亡くなってから50年も経つのに、ハリウッドがその人への敬意を忘れていない、ジュディ・ガーランドという人。そして、見事に演じ切ったレネー・ゼルウィガー。

ふたりの大スターを目の当たりにして、アメリカのショービジネスの世界の、果てしない奥深さを感じてしまいました。