あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
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『きっと、星のせいじゃない。』映画のあらすじ&感想

2014年公開。決して悲しいだけの映画ではありません。若くしてガンに侵されて、どう自分の生を生きたかという映画です。ベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」(ジョン・グリーン)の映画化です。

あらすじ

インディアナポリスに住む10代の女の子ヘイゼルは甲状腺がんに侵されて肺にも転移していた。とても賢くてちょっと皮肉っぽい性格のヘイゼルだが、さすがに落ち込んでしまっていた。

しかし家にいるばかりではいけないと、ガン患者の集まりを勧められる。そこでオーガスタスという骨肉腫の男の子と知り合い、また他にも同じ境遇の仲間ができた。

あるとき「An Imperial Affliction」という小説が、主人公のアンナがガンを患っていることで共感できるものがあると知り、オーガスタスと2人で読んでいたが、なぜか物語の結末があまりにも唐突だった。

オーガスタスは作者のピーター・ヴァン・ホーテンのアシスタントを探し出してメールのやり取りをし、結末についてピーターに尋ねるのだった。

しかしピーターの返事は「直接会って伝えたい」というものだったため、2人はピーターが引きこもっているオランダのアムステルダムへ行こうと計画する。

ヘイゼルの容態のこともあり周囲は反対するが、2人はチャリティー団体の支援でチケットを入手し、なんとか渡航できることになった。

アムステルダムの美しい街並みの中で2人は生きていることを実感する。素敵なレストランを予約したオーガスタスは、そこでヘイゼルに告白をした。

翌日ピーターの住む家を訪れた2人だったが、あらわれた作家のピーターは重度のアルコール依存症患者となっており、小説の結末を知りたがっているヘイゼルを毒舌で嘲笑する始末だった・・。

感想

この作品は批評家に大絶賛され、公開されると大ヒットを記録しました。特に脚本が素晴らしいと評されています。

ほんとうに悲しいだけの映画ではありません。生きること、生きていることとは何なのか。

主人公のヘイゼルの言葉のひとつひとつが私たちの心に深く染み入ります。

映画を見終わって、これほど勇気づけられる映画はこれまでありませんでした。

かわいそうで泣くんだろうな、とそんな小さい気持ちで映画館に行ったことを私は後悔しました。

ラストシーン、なぜ小説家のピーターがアル中になってしまったのか、なぜ小説の結末が唐突だったのかが明かされます。ウィレム・デフォーの演技にぐっときます。

そして、映画なんだけどヘイゼルにがんばれと心でつぶやいてしまうのでした。映画なのに。