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サスペンス

『羊の木』映画のあらすじと感想

2018年 錦戸亮主演 6人の元受刑者だなんて、絵にかいたようなミステリアスな設定なのだけど。

あらすじ

魚深市役所に勤める月末(ツキスエ・錦戸亮)は、ある日上司から6人の移住者の受入れの手配を命じられる。

1人ずつ駅や空港に迎えに行くが、移住者たちは口数か少なく、なんとなく様子がおかしい。何人目かを迎えに行った場所はなんと刑務所の前。しかも組の男たちに囲まれた。

月末は上司にようやく真実を知らされる。過疎化対策のために、元受刑者の仮釈放を自治体が受け入れるという、国のプロジェクトなのだと。しかも実は全員殺人犯だった。

6人はそれぞれ理容室やクリーニング屋などで働き始める。個人情報だからと雇い主には伝えないままだった。

その中で宮腰(松田龍平)という男は、月末と年齢も近いせいか、やけに馴れ馴れしく、休日に趣味のロックバンドの練習をしているところに入り込み、月末が想いを寄せるバンド仲間の文(木村文乃)とも親しくなっていく。

そんなある日、魚深市の祭りが行われ、6人も祭りに招待される。「のろろ様」という不思議な祭りの写真が全国紙の新聞に掲載され、それを見たという人物が市役所を訪ねて来た。宮腰の写真を指差し、この男がどこにいるか教えてほしいと言うのだ・・。

感想

冒頭で意味深な詩が紹介されています。羊の木とは、「綿が木から取れるのは、羊が生る木があると信じられていた」と。これは何かの比喩でしょうか。

さて、映画の設定ですが、6人の元受刑者というだけですでに相当ミステリアスです。

ひとりひとりのことが少しずつ明らかになり、そしてあるときついに事件が起きてしまいます。

ただ、犯人はすぐにわかってしまいます。それからの展開は、あまりにも想像できるクライマックスと結末だったので、もう少し工夫できなかったかな、と思います。

日本のサスペンス映画は最初の2/3までは面白い、という私の発見した法則にこれも当てはまります。

6人の再生の物語と、殺人を犯すのはだれかというミステリーを、両立させようとしたと思われますが、ラストが結局ありきたりでした。

主演の錦戸亮がかなり良かっただけに、より残念に思いました。この人は思ったよりも俳優としての力量があるな、将来性があるかもな、と感じました。