あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
サスペンス

『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』映画のあらすじ&感想

2022年 ライアン・ジョンソン監督・脚本。世界一の探偵と自称するブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が事件を解決するシリーズの第2弾。なぜかとても評価が高いです。確かにライアン・ジョンソン監督の「最後のジェダイ」よりは良かったかも。

あらすじ

IT企業の大富豪マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)が、地中海にあるプライベートアイランドに親しい友人たちを招待し、ミステリーゲームの開催を持ちかける。

ところが島で実際に殺人事件が発生。遊びだったはずのゲームは一転して恐ろしい事件となり、参加者は容疑者候補になってしまう。

名探偵ブノワ(ダニエル・クレイグ)は友人同士のなかで交錯する思惑や、その裏に隠された真相を明らかにすべく、事件の調査に乗り出す。映画com.

感想

ミステリー好きにはたまらない

実際にギリシャで撮影され、億万長者の招待で集まった孤島で事件が起きる、というのは
ミステリー好きにはたまらないシチュエーションです。

しかも現代のハイテク企業の創業者である億万長者のお話なので、派手な衣装やインテリアにちょっと気持ちは上がります。有名人も何人かカメオ出演しています。

また、アクションシーンの無いダニエル・クレイグに第1弾では当惑していましたが、今回はセリフが闊達で生き生きしていたので探偵が板についてきたようです。

確かにストーリーはうまくできています。最後に「モナリザ」のポーズをするところまで、随所にオチがばらまかれて、見つけるのがちょっと楽しいです。

もっと深く掘り下げるべき核心は・・

ただ、私としてはこの絶賛されたクライマックスの展開は、新しいミステリーのオチと言えるかもしれないけど、もう少し焦点を当ててほしい重要な部分が他にあったのが心残り。

それはもともとの事件の発端である、アンディ(億万長者マイルズの共同創業者の女性)が何を思い、何をしようとしていたか、をもっと深く掘り下げてほしかったということ。

それによって名優エドワード・ノートンの、さらに深い演技を引き出せたのではないかと。せっかく彼が主役級で出ているのに、もったいない、と思ったのです。

ブノアが何度も行っていたセリフ「この殺人には核心が無い

この答こそがアンディの思い。アンディの深い思いを解き明かすことこそが、探偵ブノアの大切な仕事ではなかったでしょうか。