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『ヒート』映画のあらすじ&感想:スリルと切なさの名作

1995年 原題: Heat マイケル・マン監督。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ共演。ロサンゼルスを舞台に繰り広げられる犯罪サスペンス。

あらすじ

プロの犯罪者ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)率いるグループが、現金輸送車から多額の有価証券を強奪した。

捜査に乗り出したロサンゼルス市警のビンセント(アル・パチーノ)は、わずかな手がかりからニールたちの犯行と突き止め、執拗な追跡を開始する。映画com.

感想

映画の見方って人それぞれです。

たとえばスリルを楽しむ、好きな俳優を楽しむ、怖さを楽しむ。どこかの国の登場人物たちの生活感や街の雰囲気を楽しむ等等。

ではこの映画は何を楽しみましょう。ひりひりするようなスリル、ロサンゼルスの街の臨場感、銃撃戦・・いえいえ。

おそらくほとんどの人が2大スターの競演が観たかったはずです。犯罪者と刑事として対峙する2人は、なぜかお互いにシンパシーも感じている。そして運命のようにクライマックスへと向かっていく。

大スターを堪能する映画。それがこの映画のコンセプトです。

ただし2人が直接会話するシーンはコーヒーショップでの6分間だけなのですが、逆にその設定が絶妙に思えます。

実は本当にあった犯罪者と刑事の逸話がベースになっていて、実際にコーヒーを飲みながら会話を交わしたのだという話を、マイケル・マンが脚本に織り込んだのです。洒落ていますね。

この脚本、非常によくできています。大スター競演というイベントが無くても、スリルや銃撃だけでなくヒューマンドラマとしても一級品だと思いました。

つまりこの「ヒート」は非常によくできた映画なのです。でも2大スター競演ということ以外知られていないのがすごく残念です。

スリルと切なさ、そしてどうしょうもない閉塞感に満ちた、アクション映画の名作だと私は思います。

ところでアル・パチーノ。年齢的にはデ・ニーロと3歳しか違わないのですが、ゴッド・ファーザーの美しい青年の頃とあまりに顔つきが違うことにびっくりします。たしかに過去のいろんなものを背負った刑事の役にぴったりですが、なんとなく残念だなあという思いも・・。