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実話

『オンリー・ザ・ブレイブ』映画のあらすじ&感想

2018年公開 ジョシュ・ブローリン主演 実際に起きた、アリゾナ州のヤーネルヒル火災の悲劇を題材にしています。オンリー・ザ・ブレイブ(字幕版)

あらすじ

アリゾナの地域の消防団を率いるマーシュ。優れた統率力でチームの信頼が厚く、またチームは優秀な消防隊で森林火災の消火に貢献していた。

ある日新人のブレンダンが加入する。ブレンダンは薬物に溺れる最低の生活をしていたが、恋人に子供が生まれたことで、今までの自分を変えようとしていた。

ブレンダンは厳しい訓練になんとかついていき、仲間とも打ち解けていく。
チームは森林消火のエキスパートだったが、しょせん地域の消防団。マーシュはチームを精鋭部隊の「ホット・ショット」に昇格させたいと考えていた・・。

感想(ネタバレ)

この映画をスクリーンで見なかったのをとても後悔しています。公式ホームページで出演者の方たちの訓練が大変だった事、火災のシーンの撮影についてなどが出ています。さぞやスクリーンでは火災の消火シーンに迫力があっただろうなと思います。

予告編とは全く違い、意外にも素晴らしい映画でした。へたな予告編というのも、あるんですね。

俳優さんたちも決して派手ではないタイプの方たちが、消防チームのグラニット・マウンテン・ホットショットへの敬意とともに本当に熱演していて、胸に迫るものがありました。

これが日本映画なら、最後に亡くなると誰もがわかっている場合、これでもかとクライマックスを盛り上げるのですが、それをさらりとかわすように流し、逆にそれが悲しみを誘いました。

ただ、ひとつだけ残念なところが。問題は遺体発見前後の数分のシーン。もしかしたら映画館で見ていたら、ちょっと印象が違ったのかもしれないですが、19人を発見するシーンの前後が軽い。

燃える火のすさまじさはあっても、燃え後の「焼け野が原」。そこにあったのはシンプルな黒い平原。ここからラストシーンへの流れが、ここまでの展開と明らかに違って、それはきっと実話なので、いろいろなところに配慮しているのでしょうけど。でもなんとなくもどかしい。

ご遺体を発見したひとの表情が無い。わざと無くしたんだろうけど、日本人はこういうとき、発見者の顔の表情を大事にします。発見する俳優さんを超有名俳優にしたりするほどです。これは文化の違いでしょうか。

映画を見終わった後に、何か忘れたような気がしてしまうのは、この発見シーンの前後に理由があると思います。

悲しい実話の映画化ということで、ここは限界だったのかもしれません。