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『博士と彼女のセオリー』映画のあらすじ&感想/ホーキング博士の伝記

2014年 宇宙の神秘よりも複雑な夫婦愛。ブラックホールで有名なホーキング博士の妻との日々を描いた伝記映画です。エディ・レッドメインがアカデミー主演男優賞を受賞しました。

あらすじ

1960年代、ケンブリッジ大学で物理学を学ぶホーキング(エディ・レッドメイン)。同じ大学で文学を学ぶジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と恋に落ちた。

しかしある日、体が自由に動かなくなり倒れてしまう。ホーキングはALS(筋委縮性側索硬化症)で余命2年と医者に告げられた。

それでもジェーンはホーキングを愛し支えると誓い、2人は結婚する。男の子も誕生するが、ホーキングは電動車いすの生活。

ブラックホールの博士論文、ビッグバンの研究など、仕事では成果を上げていくホーキングだが、子育てとホーキングの世話で自身の文学の研究もできないジェーンはだんだんストレスが深刻に溜まっていった。

そんなある日、ジェーンは気分転換に入った聖歌隊で、指導をするジョナサンと出会う。ピアノ教師として家に出入りするうちに、家族の支援をしてくれるようになったジョナサン。

ジェーンとジョナサンはいつしか惹かれ合うようになるが、ホーキングにはジェーンの気持ちが誰よりもわかっていた・・。

感想

あのビッグバンで有名なスティーブン・ホーキング博士。エディ・レッドメインは半年以上役作りに費やしたとのこと。

確かに圧巻の名演技でした。ジェーン役のフェリシティ・ジョーンズも素晴らしく良かったです。

冒頭で自転車で疾走するシーンがあるのですが、あんなふうに走っていた人が、まったく動けなくなるなんて、病気というのはほんとうに残酷だと思います。

しかし脳までは侵されない病気なのは、人類にとって幸運でした。私たちに宇宙への無限の夢を持たせてくれるような、そんな研究成果をのこしてくれたことを、心から感謝します。

そして何よりもミラクルなのはお子さんが3人もいるということ。

最後のシーンでホーキング博士がジェーンに向かって「我々の創造したもの達を見なさい」と子供たちのことを誇らしげに言います。

(実際には器械の音声でですが)人間が命を生み出すということは、宇宙の成り立ちのように神秘に満ちていると。映画はここで終わります。

博士は2018年3月、ケンブリッジの自宅で亡くなりました。余命2年と言われてから50年以上経っていました。