2014年。ベネディクト・カンバーバッチの熱演が光ります。楽し気な題ですが、
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版)
第二次大戦中、ナチスの暗号機で解析不能と言われたエニグマを解読した数学者アラン・チューニングたちの苦闘の日々を描きます。
あらすじ
1951年 数学者アラン・チューリングは自宅が空き巣に入られ、警官の取り調べを受けながら、これまでの出来事を回想していた。
1936年、イギリスはドイツに宣戦布告する。チューリングは軍の要請で仲間の数学者たちとチームを組み、ドイツの精巧な暗号機エニグマの解読に着手した。
仲間との協調性に欠けるチューリングは、仲間たちとのトラブルもあり、暗号の解読は困難を極めた。そんなとき女性の同僚のジョーンが両親のすすめで退職を余儀なくされる。しかしチューリングは「それなら結婚すればいい」とジョーンに結婚を申し込む。ジョーンは承諾するが、実はチューリングは同性愛者であり、このあと彼は思い悩む。
暗号解読の期限が迫り、あるときチューリングはドイツの通信の中にいつも同じ言葉が含まれていると気づく。天気・ハイル・ヒトラーなどの言葉を解読機にプログラムして、ようやく暗号の解読に成功した。
ただし、エニグマ解読が明らかにならないようにと、解読に成功したことは秘密となった。そのためチューリングたちの功績を国民はこのあとも知ることはなかったのである。
そして1951年、空き巣犯の仲間に男娼がいたことがわかり、チューリングの同性愛も警察に知られてしまう。服役か治療かという選択をせまられることになるのだった。
感想
エニグマ解読によって戦争終結が2年短くなったと言われていますが、その功績は英国軍によって50年も秘密にされていました。同性愛者であることから罪に問われ(昔は罪でした)、41歳で自死してしまうチューニング。
少年の頃から天才で、性格も変わっていたので「普通ではない」と言われ、友達もいない彼でしたが、同じように数学のできる親友のクリストファーには心を開き、いつしか恋心を抱きます。しかしクリストファーは結核で亡くなってしまいます・・。
エニグマ解読機(現在のコンピューターの原型)に、クリストファーと名付け、連日解読に没頭するチューリング。いつしかチームの仲間とも友情で結ばれていくのでした・・。
とにかくカンバーバッチはうまい。
この孤高の数学者にまったくふさわしく、彼も不思議な顔立ちの方ですが、クライマックスでは孤高が崇高に見えてくる。いい俳優の眼というのは、まさしくこういう眼ですね。世界でも絶賛されたようです。
存在感とかいろんな言葉で表現すると思いますが、カンバーバッチのような俳優さんを呼ぶとしたら、たとえば「特別感」とでも言いますか。彼だけの空間がそこに広がっているのを感じます。
ちゃんとスクリーンで見なくてはならなかった作品だと思いました。