2014年公開。 ティム・バートン監督。1960年代に実際に起きた、絵はすべて妻が描いていた、という著名な画家の仰天な実話。
あらすじ
一人娘を抱えて離婚したマーガレット(エイミー・アダムス)は、サンフランシスコの家具工場でイラストを描きながら生計を立てていた。
休日に自分の描いた絵を街角で売っていると、隣で絵を売っている男と知り合う。それがウォルター(クリストフ・ヴァルツ)だった。
2人は結婚し、ハワイでハネムーンを過ごす。不動産会社を経営するウォルターは商売の才能があった。
あるときマーガレットとウォルターが描いた絵を売りに行くと、マーガレットの絵だけが売れた。しかし当時は女性が描いた絵では売れない時代だったので、ウォルターは自分の絵だということにする。
それから眼の大きい子供を描いた「ビッグ・アイズ」と呼ばれる絵が人気を博し、2人は大金持ちになっていく。
豪邸に住み、夫は外でセレブたちと過ごしていたが、マーガレットは一日中絵を描かされていた。夫にマインドコントロールされていたのだ。ウォルター・キーンの名前でなければ絵は売れない、また自分でなければこの絵を有名にすることはできなかったのだ・・と。
感想
ティム・バートンならではのおしゃれで綺麗な映像と、エイミー・アダムスの魅力、そして何より素晴らしい「ビッグ・アイズ」たち。
それらはもちろん期待どおりでしたが、何とも腹立たしい夫のウォルターがあまりにムカムカして、如何に最後はめでたしでも、心に気持ち悪さが残りました。
クリストフ・ヴァルツの怪演がすごすぎて、ほんとに「死ね」と思ってしまうほど。おそらく実際にこんな感じだったんだろうなという鬼気迫る演技です。
か細い声で真実を吐露するマーガレットの演技も真に迫っていたのでしょうが、現代に生きる我々から見ると、イライラするばかりでした。
映画の流れは非の打ち所がない、役者も名演技をしていた。しかし終わってみると気持ち悪い。まだムカムカしている。
もう少し、観客の心をスカッとさせる流れに変えたとしても、バチは当たらなかったと思います。