2018年公開。第91回アカデミー作品賞受賞。この受賞に対してアメリカ国民は賛否両論だそうです。
こういう問題については、単一民族国家である日本に住む私たちには、完全に理解するのはちょっと難しいです。
あらすじ
1962年のアメリカ。ナイトクラブで用心棒をしていたトニーは、有名な黒人ピアニスト、ドン・シャーリーのツアー運転手に雇われる。
しかも行先は人種差別が色濃く残る南部の街だと言う。
また保守的なイタリア人のトニーは、黒人に雇われるということに抵抗があった。
しかし2か月間、ツアーで旅をする間に、さまざまな出来事とともにドンとの絆が生まれ、トニーの黒人への偏見の気持ちは消えていく・・。
感想
アメリカにおける人種差別の歴史について、私たちはほんのうわべだけしか知りません。
私はこの映画に感動し、クライマックスでは涙まで出ましたが、アメリカでは多くの人々がこの映画が作品賞を取ったことにがっかりしていると言う。
映画は万国共通の文化だと思っていましたが、すべてがそうだとは言い難いようですね。
でも一つだけはっきりしていること。それは最初に書いたように、私たち日本人も、62年のあの南部のレストランには入ることができなかった。なぜならジム・クロウ法で白人以外は入ることができない、と決められていたから。
そのことに気づいたとき、この映画の見方が変わります。トニーの立場で見ていたものが、そうではない、私たちもあの南部の農夫たちなのだ・・。
ただの友情物語なら、本当に素敵な映画だった。ドンを演じたマハーシャラ・アリの助演男優賞もほんとうによかった!
しかし私たちはもっと、自分たちの問題として考えるべきなのかもしれません。