あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
サスペンス

『神が描くは曲線で』映画のあらすじ&感想

2022年 スペイン映画 1979年の同名小説が原作。回想シーンを効果的に挿入することによってサスペンス度が高まり、展開に最後まで目を離せなくなります。そしてラストに驚愕。おすすめの逸品です。

あらすじ

アリス(バルバラ・レニー)はとある精神病院に患者として入院する。彼女は施設内で起きた殺人事件の捜査のために潜入した私立探偵だった・・。

感想

あらすじは少し書きましたが、実はまったく無の状態で観てほしい映画です。

回想シーンがほんとうに効果的に使われ、どんどん迷宮に誘い込まれていく展開。いったいなにが真実なのか、と途中から観ているほうがパニックになります。サスペンス映画としては、実に完成度が高い作品と言えます。

主人公のアリスを演じるバルバラ・レニーは目力がすごく、演技がうまいですが、何より素敵なのは服の着こなしが上手なところ。コートの着こなしは完璧。患者着を着たときの悲壮感も申し分なし。

衣装というのは、とても大切な要素だと私は思っています。

タートルネックばかり着ている院長はペテン師感を醸し出し、ダークグレーの服を着ている人は悪人感がいっぱい。

この映画の大切な場面での色の使い方は、ストーリーに深みを持たせる小道具の一つのように思えました。

さて、そうして七変化するこのストーリー。実はラストシーンのあとも少しモヤモヤ。しばらく頭の中で整理して、ああ、そういうことかあ、と納得する。でもまたすぐモヤモヤ・・の繰り返しになること間違いなしです。