あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
サスペンス

『search #サーチ2』映画のあらすじ&感想:全編PC画面だけ

2023年公開  PCの画面上だけで物語が展開していくという画期的な試みで大ヒットした「search」の第2弾。サイトやアプリに精通した18歳が主人公。

あらすじ

ロサンゼルスから遠く離れた南米・コロンビアを旅行中に突然消息を絶った母。デジタルネイティブ世代である高校生の娘ジューン(ストーム・リード)は、検索サイトや代行サービス、SNSなど使い慣れたサイトやアプリを駆使して母の捜索を試みる。

スマホの位置情報や監視カメラ、銀行の出入金記録など、人々の行動・生活がデジタル上で記録されている現代、母を見つけることは簡単と思われたが、一向に行方をつかむことができない。

そればかりか、不可解な出来事はすぐさまSNSで拡散され、憶測ばかりが広がっていく。不確かな情報に翻弄されながらも、真相をつかもうとするジューンだったが……。映画com.

感想

抜群のおもしろさで話題となったsearch。それはその第2弾です。

と言ってもストーリーは続編というわけではなく全く新規の話。searchを超えた、と評判がすこぶるいいので、わくわく期待して観に行きましたが・・

ずばり結論から言うと、やや超えてはいないと思います。

とは言え、PC画面でSNSやカメラを駆使した画像は、入力のスピード感や画面遷移も心地よい感じで、そこは非常に良くできています。

しかし、問題は要するにストーリー。いかに斬新な映画であっても映画の一番重要なところはストーリーであります。

たとえば、思わぬ人へ疑惑が持ち上がる。さらに意外な人物が浮上する。ここまではいいですが、どんでん返しといえるような、もっとあっという展開が最後に必要だった気がします。

なぜなら、終わりのほうで観客は犯人とその動機に気づいてしまうから。最後の仕上げがSiri(声で支持を出せるAI)の機能だけではちょっと弱かった。

でも使えるのはPCの画面という大きな制約がある。そのため人間の声でちゃんとした説明をすることができない。ここはみているほうは少々もどかしくなりました。前作ではまったくならなかったけど。

つまり、ここが前作との大きな違いです。最初からどんどん引き込まれ、あまりのおもしろさに没入して最後までみてしまった第1弾との・・

これはおそらく、サスペンス好きな人であればあるほどちょっと物足りない気持ちになるのではないでしょうか。

というわけで、画期的な試みで成功しサスペンスとしても大成功だったseachには今一つ及ばない気がいたしましたが、

でも決しておもしろくなかったわけではなく、それなりにハラハラ楽しめた作品ではありました。

おまけ

母親に反抗するティーンエイジャー。こういうのは万国共通です。親がいない時に酒盛りするのも。

だけどお母さんの苦労を見て育ったジェーンが、18歳にもなってこんなに反抗するのは少し不自然かなあと感じます。しかもこんなに頭の回転早い子が。

だけどもう一方の見方として、ようやく母親が新しい幸せをつかもうしているときに、かたくなにその彼氏に嫌悪感を抱くというのは、無意識にその男性に何かを感じ取っていたのかもしれない。

そのくだりを説明する箇所があっても良かったと思いますが、なにしろ情報が多すぎて気がつけなかったのかもしれないです・・

Amazonプライムで観られます→search(第1弾のほう)