2007年 デビット・フィンチャー監督。1968年から1974にかけてアメリカで実際に起きた殺人事件をもとにしています。
あらすじ
1969年7月4日。サンフランシスコ近郊の街のとある駐車場で、若いカップルが銃撃された。
犯人は「ゾディアック」と名乗りサンフランシスコ湾域警察、新聞社のタイムズ・ヘラルドとサンフランシスコに犯行を告白した手紙を送りつけた。
サンフランシスコ社に風刺漫画化として勤務するグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は、ゾディアックからの手紙に書かれた暗号文に興味を持つのだった・・。
感想
実際の事件の流れを時系列で追うように、サクサクとした展開で息もつかせない前半。
そして事件によって運命を狂わされていく刑事(マーク・ラファロ)、記者(ロバート・ダウニー・Jr)、グレイスミスたちが描かれる後半。
最後の最後まで手に汗握る、まさにデビット・フィンチャー監督らしい上質のサスペンスと言えます。
フィンチャー監督といえば、「セブン」「ファイトクラブ」「ゴーンガール」などサスペンス史に燦然と輝くような作品ばかりですが、そんななかでもこの作品のスピード感や脚本の上手さ、役者さんたちの技術の高さはトップクラスです。
ただし、実話ベースという物語には、要注意なことが。それは犯人逮捕が劇的に起きるわけではないということ。
ゾディアックが何者なのか、実はまだいまだにわかっていません。ということは最後まで犯人を逮捕するという結果にはなりようがないということ。
これがクライマックスからラストにかけて、どうなっているか、ということなのですが、それは巷の評価が物語る通りと言ってよいでしょう。
事実を曲げるわけにはいかないのでどうしようもないですが、そこをなんとか、フィンチャー監督にはがんばってほしかった。マーク・ラファロの好演が光るだけに、残念でなりません。