あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
サスペンス

『女神の見えざる手』映画のあらすじ&感想

2016年 ジェシカ・チャスティン主演。原題:Miss Sloane アメリカのロビイストを描いた社会派サスペンスです。

「女神の見えざる手」とは考えた邦題です。しかし、逆にMiss Sloaneのほうが深いと思います。

あらすじ

リズは政界でも名を轟かせる有能なロビイスト。ロビイストとは特定の団体の利益のために世界に働きかけをするロビー活動を行う人々のこと。

あるときリズの元に、銃規制法案の成立を妨げるべく、女性の銃器保有賛成派を増やしてほしいという依頼が入る。

アメリカでは銃規制法を成立させたくない人々が少なからずいるのだ。

しかしリズはその依頼を持ち込んだ議員を軽くあしらい、銃規制法案に反対する活動をしないという態度を取る。

そんなときリズは帰り道で見知らぬ男に話しかけられる。銃規制に賛成派のロビー会社のCEO・シュミットだった。彼はリズを引き抜きに来たのだった・・。

感想

まず映画を観る前に「ロビイスト」について調べておこうとネット検索しました。しかしなにぶん日本ではまだ根付いていないためロビー会社の概念がいまひとつわからないままでしたが、映画に入ってしまうとそんなことは忘れるぐらい面白い展開で、息もつかせぬまま一気に観てしまいました。

ジェシカ・チャスティンの圧倒的演技力と存在感、メリハリある展開とアッと驚くクライマックス。サスペンス映画の王道とも言える見事な仕掛けで「これはいいものを観た」と思わせる作品となっています。

ただあとで冷静になって思うことは、リズの背景が全く描かれていないこと。これはやはりジェシカ・チャスティン主演の「ゼロ・ターク・サーティ」にも通じるものがあり、同じ主人公なのか?と思うほど。

とはいえジェシカ・チャスティンはこういうデキる女を演じたら凄いものがあります。美しさにも凄味があるというか。

だけど日本人としては主人公リズの背景を描いて心情的にほろっとさせてほしいなと思ってしまいます。

でもきっとわざと描かなかったのでしょうから、これはこれで敬意を表します。