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サスペンス

『ファイト・クラブ』映画のあらすじ&感想/余韻、余韻でやられました

1999年 デビット・フィンチャー監督。難解で暴力的で、そして優れた映画です。余韻を残し、しばらくは映画のシーンが脳裏に蘇り、「あのシーンの意味は・・」と考えてしまいます。
「セブン」や「ドラゴン・タトゥーの女」の監督ですから、単純な映画は作らないですね。

あらすじ

物語の主人公の「僕」は普通のサラリーマン。最近不眠症で悩んでいる。がん患者の会に出席して一緒に泣くことで不思議によく眠ることができる。しかし最近同じように健康なのに病人の会に参加する女マーラがいて、彼女が気になりよく眠れない。

そんなある日僕は飛行機の中でタイラーという男に出会う。その男は自分と正反対の性格だった。ユーモアと機知にあふれ、そして危険な男だった。

その日帰ってみると自分の部屋が爆破され大騒ぎになっていた。しかたなく僕はタイラーに電話をかけ、彼が住む廃屋で一緒に暮らすことになる。なぜかマーラも電話をしてきて、奥手な自分ではなくタイラーと付き合い始めた。

タイラーは夜の酒場で男たちを誘い、1対1で殴り合う「ファイト・クラブ」をつくる。僕もそれにのめりこみ、不眠を感じることはなかった。タイラーはクラブをどんどん大きくし、やがて反社会的な組織になっていった・・。

感想

偶然にもこのあとに起こった同時多発テロとの類似によって、この作品と原作が注目を浴びることになったようです。

思ったよりミステリー色の高いストーリーで、ええ?という展開になります。うまく伏線をからめ、またこれでもかという暴力の迫力で、観客をじょうずに誘導しました。

暴力シーンがある作品に迫力があるとは思いませんが、フィンチャー監督の演出は、ただ血が流れているというだけでドキドキするような、そんな作り方です。サスペンス作品を怖く作る第一人者です。

主演のエドワード・ノートン。彼の演技はとても素晴らしいです。感情の細やかな動きとその深い部分の表現。

そしてブラッド・ピットは出演作品の中でおそらく最もハマっています。何を考えているのかわからない薄い演技がこの役にちょうどいいのです。

どんでん返しにアッとしたい、という人にはこの映画がおすすめです。