あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
SF

『デューン 砂の惑星 PART2』映画のあらすじ&感想

2024年 監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ これはティモシー・シャラメの映画と言ってもいいでしょう。壮大なCGと音楽、わきを固める役者さんもすごいのですが、ポール(ティモシー・シャラメ)が印象に残りすぎます。

あらすじ

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は、ついに反撃の狼煙を上げる。

砂漠の民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)がデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。

感想

PART1では荘厳すぎる音楽がひときわ耳に残りましたが、今回はしっくり来ていました。

展開を少し早回しにしたような印象もあります。

それにしてもCGが本当に素晴らしい。砂ばかりの惑星に住む巨大な生物・砂虫の恐ろしい姿、美しい砂の波紋が永遠に広がるようす、そしてなぜか剣で戦う何万という戦士たち。

少し不満があるとしたら、砂嵐の迫力があまり無いなあと感じたところでしょうか。

それでもPART2は、不穏な感じで終わったPART1に比べて手に汗握るところが多く、見ごたえがあったと感じました。

ただしやはり、映画の中で観客の心を動かすシーンというのは、人が真剣に放ったセリフや本当に力の入った人の動作なのだと改めて感じます。

CGがあり、音楽がある。そこで魅せられるものはやっぱり人間です。

つまり、お膳立てがこれでもかと揃った画面世界の中で、凡庸な俳優さんは周りに負けてしまうということ。

そういう見方をしていくと、誰よりも負けてないのはやっぱりティモシー・シャラメだったと私は思いました。

あれだけの個性派キャストを配して、その中で浮き立つ存在であることを求められる。生まれながらの王子様俳優と名付けましょう。

そこで真逆のキャラクターとも言えるゼンデイヤ。お姫様チックじゃないのが好感もてますが、実際のゼンデイヤはとても美しいのに砂まみれでちょっとかわいそうでした。以降の展開を鑑みると、表情が怖すぎたなあと思わなくも無いです。

それにしても今回の物語。ポールの大躍進のくだりよりも、一番度肝を抜いたのはクライマックスでポールが放ったセリフですね。

「命ある限り君を愛する」とチャニに言ったその舌の根も乾かぬうちに・・ドヒャでした。

古今東西、おとこってそんなもんですね。