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『パッセンジャー』映画のあらすじ&感想/ジェニファーが綺麗

2016年公開。批評家の点数はあんまりよくないようですが、肩が凝らない娯楽作としてはまあまあじゃないでしょうか。

パッセンジャー (字幕版)

 

あらすじ

5000人の宇宙移民をのせた巨大宇宙船アバロン。あるとき小惑星軍の衝突でシステムが狂い、エンジニアのジムが冬眠ポッドから目覚めてしまった。

しかしアバロンが目的の星に到着するのは90年後。もう一度冬眠するすべもない。話す相手はアンドロイドのアーサーだけ。絶望の中ジムは1年間なんとか生きていたが、時に自殺を考えるほど追い込まれていた。

しかしあるときポッドの中で眠る、理想の美女を見つけるジム。オーロラというその女性について調べるうちに本当に恋をしてしまう。迷いに迷い、葛藤した末に、彼女のポッドを壊し、眠りから覚ましてしまった。

オーロラは事態を把握し、絶望しながらも、次第にジムに惹かれていく。2人は恋に落ち、ジムがプロポーズしようとしたとき、アンドロイドのアーサーがオーロラに告げてしまう。オーロラの目を覚まさせたのは、ジムだということを・・。

感想

この映画の主題は、究極の愛だと思います。つまり、相手を独占して自分のものにしたい、という利己主義な考えこそが愛そのものではないかと。

SFなのに、科学的におかしい、と言われて評価が低いこの映画ですが、描きたかったのはそこではなく「愛」のみだったのでは。極限状態に2人を置くには、遠い宇宙の真ん中しかない、ということではないでしょうか。

そしてオーロラはジムを拒絶し、怒りをあらわにします。でも宇宙船が壊れそうという、もっとたいへんなことが起こり、2人は力を合わせざるを得ません。

若いながらも著名なライターだったオーロラですが、一番大切なものが何か、ということに、極限の中で気づいていきます。

ネタバレ感想

実は一人分だけ冬眠できる装置があるとわかり、ジムはオーロラに冬眠をすすめます。

しかし最後は、2人で生きていくことを選択したオーロラ。ラストシーンではそれが最良の選択であり、幸せな人生だったというオーロラの言葉で終わります。

さあ、でもいかに極限状態だったとはいえ、けっこう簡単に愛に走ってしまったオーロラさん。ジムがハンサムだったから、と言ってしまえばおしまいですが、このラストシーンはどうでしょう。一度は愛を選択しても、何十年の間に心は変化するのではないかしら。

そういうところすべてが、雑な作りなので、批評家の受けが悪いのでしょうね。でも私はこの映画好きですよ。