2018年 ドイツ映画。数々の映画賞を受賞しています。原作は短編小説「通路にて」。スーパーマーケットには従業員たちの悲喜こもごもがあった。東西統一後の東ドイツの様子を知るのも、この映画で初めてでした。
あらすじ
ライプツィヒ近郊の田舎町に建つ巨大スーパー。在庫管理係として働きはじめた無口な青年クリスティアンは、一緒に働く年上の女性マリオンに恋心を抱く。
仕事を教えてくれるブルーノは、そんなクリスティアンを静かに見守っている。少し風変わりだが素朴で心優しい従業員たち。
それぞれ心の痛みを抱えているからこそ、互いに立ち入りすぎない節度を保っていたが……。映画.com
感想
原作は短編ですが、それなのになんと深い物語でしょうか。
夜のショッピングセンターのバックヤードの通路。それは想像しただけでも物悲しい風景です。ここには様々な人生が凝縮されているのかもしれません。
従業員の人たちは、お互いに立ち入らず一見仲が悪そうで、でも実はちゃんと「人情」が存在していた。
そんな中で再生していく青年クリスティアン。体に刺青があり、かつては悪い仲間と付き合っていた彼でしたが、そういう生き方を変えていこうという思いで仕事に就き、そして年上の人に恋をし、仲間との交流の中で、本当に再生していく様子が描かれています。
こんな巨大ショッピングセンターの通路を行き来する夜のフォークリフトは、それの動きを見ているだけでどこかグッとくる。
フォークリフトを真っ直ぐに操作すること自体がかなり難しいようなのですが、やがて真っ直ぐに動かせるようになる・・このことがまさに、人生の再生のようです。