2016年 LA LA LANDとは、ロサンゼルスという意味と「現実から遊離した精神状態」という意味もあるそうです。
ラ・ラ・ランド(字幕版)
あらすじ
オーディションに落ちて落ち込んでいた女優志望のミア(エマ・ストーン)は、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと出会う。しかしそれはセバスチャン(ライアン・コズリング)にコケにされる最悪の出会いだった。
しばらくしてミアはあるパーティー会場のプールサイドで、弾きたくもないポップスを演奏するセバスチャンと再会。
ここでもやはりどうも気が合わない2人だったが、互いの才能を認め合ううちに恋に落ちていく・・。
感想
「セッション」でアカデミー賞3部門を受賞し、商業的にも成功したことで、2010年からあたためていた脚本をようやく映画化することができたデイミアン・チャゼル監督。
熱狂的にミュージカルが好きだそうで、この作品はその中でもクラシック作品を踏襲しているらしいです。
らしい、というのは、実はそのクラシックなミュージカル(雨に唄えば、とか)をほとんど見ていないので、よくわかんないのです。
でも心地いいところで、歌や踊りが始まるなあと思える作品ではありました。
アカデミー賞に14部門ノミネートされ、監督賞・主演女優賞など6部門取りましたが、作品賞の発表で、間違って封筒が渡され、いったん「ラ・ラ・ランド」って発表し出演者が壇上に上がってスピーチの最中、「間違いです!ムーン・ライトです!」となったという珍事が起こり、そのせいか「作品賞を逃した」ということだけが印象に残ることになりました。
たしかに、作品賞では無いなあ・・とぼんやり思いながら、ライアン・コズリングとエマ・ストーンの素敵なダンスを堪能。
すべて美しい画面で、背景もファッションも家具もすべてすべておしゃれ。歌も曲も素晴らしく、ミュージカルへの愛に溢れた作品なのですが、ミュージカルとしての出来栄えに感心しても、ものがたりに感動しなかった。
感心しても感動しなかったんです・・なぜだろう。
しっかりした理由もなく、別れてしまったような印象が残る。女の人が、愛しているのにもう駄目だと思う瞬間に、説得力がない。
実際には相手のために別れを選んだに近いのでしょうが。
恋愛映画というのは、実は、人々の共感を得るのが難しいと思います。友情物語や、殺人事件の話より、実は恋愛映画の結末がハッピーエンドにならない場合、とても難しいのだな、と思いました。