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『イングリッシュ・ペイシェント』映画のあらすじ&感想/心をつかまれるような感動作

1996年 アカデミー作品賞、監督賞を含む9部門受賞。時を経て、またもう一度観ました。大人になって歴史とか恋愛についてもわかるようになったので、当時よりもずっと感動しました。

あらすじ

第二次大戦末期のイタリア。従軍看護師のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は全身焼けただれ、記憶も失った「英国人の患者」を世話することになった。

自らも愛する人を戦争で失い傷ついていたハナ。その献身的な看病で少しずつ記憶を取り戻していく患者の名はラズロ・アルマシー伯爵(レイフ・ファインズ)。

彼は少しずつ思いだしたことを語り始める。

ハンガリー人のラズロは考古学の調査のため英国人の仲間たちとサハラ砂漠を旅していた。その調査団にあるとき一組の夫婦が加わる。キャサリン・クラフトン(クリスティン・スコット・トーマス)と夫のジェフリー(コリン・ファース)だった。

ラズロとキャサリンは初めて会った時から強く惹かれ合うのだった・・。

感想

ラズロの語る、キャサリンとの物語は、切なくて悲しいものでした。歯止めがきかない男女の心情を2人はほんとうにうまく演じています。

クライマックスでキャサリンを抱きかかえるレイフ・ファインズの泣き顔の表情は、思わず涙を誘います。この演技がこの映画の決め手と言っても過言ではありません。主演俳優さんの渾身の演技は、映画全体をぎゅっと引き締めました。

さてこの映画の題「英国人の患者」とは何を意味するのでしょう。

それは、ラズロがある重要な時にドイツのスパイに間違われ、とてつもない悲劇を引き起こしてしまったが、それなのに顔もわからず記憶も無くした自分が「英国人の患者」とカルテに書かれたことを嘆いたことからきています。

あのときにわかってもらえていたら、こんな悲劇にはならなかった・・と。

いや、どちらにしても不倫というのはいつかは谷底に落ちるものだと、ほんとうはわかっていたのかもしれないですが。