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『クレイジー・リッチ!』映画のあらすじ&感想/題はすごいですがラブストーリーです

2018年公開。主要キャストはアジア系の俳優さんばかりです。アジアの富裕層の人たちのシーンばかり話題になっていますが、映画の主題は、女性の生き方に焦点を当てたラブストーリーだと思います。

あらすじ

レイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)は中国系アメリカ人で、ニューヨークの有名大学で経済学の教授として活躍していた。

あるとき、恋人のニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)に、「友達の結婚式があるから、いっしょにシンガポールに行こう。ママにも紹介するよ」と誘われる。

レイチェルは知らなかったが、ニックは実はシンガポールの名家の出で、一族もみな大金持ち。

御曹司のニックが連れてきた女性、というだけで、人々から注目の的になり、若い女性達は嫉妬のまなざしで見るのだった

それだけではなく、ニックの母親エレノアは、「アメリカ人」であるレイチェルに厳しい態度をとる。「あなたには、ヤン家の嫁は無理よ」と。

感想

月下美人という花が咲いた、っていうだけの趣旨で盛大なパーティを開催するヤン家の祖母、ニックの友達も親戚もみんなリッチ。とにかく連日パーティばかり開かれている・・。

その昔ナポレオンが「中国が目覚めたら、世界を揺さぶる」と言ったそうですが、本当に世界はもう揺さぶられています。

冒頭でエレノアがヨーロッパの瀟洒なホテルで宿泊を断られるが、オーナーに電話すると、慌ててやってきて、「今日から新しいオーナー婦人だ、すぐにスイートを用意しなさい」という、笑い話で始まるこの映画。

次々と中国系の人々のリッチな世界が描かれ、その部分だけが大きな話題となりました。ただただリッチなのではなく、大邸宅の佇まいや女性たちのドレスなど、派手だけど洗練されています。

ため息が出そうに魅力的な女性も出てきて来ますし、大富豪の息子のニックの富豪ぶりは実に爽やかです。ああこのような未来をナポレオンは予感したのでしょうか。

ただ映画には貧しい人々のことはまったく出てこなかったのがちょっと消化不良ではあります。

ですが、この映画の要点はリッチなことそのものではなく、家柄の違うカップルが、どう結婚について結論を出すのか、ということなのです。

着々と自分のキャリアを積み上げた女性が大富豪との結婚を前にどう結論を出すのか。もちろん、アメリカのコメディ映画ですので悲しい終わり方にはならないとはわかっていても、こういうことって、万国共通だなあ、そして時代が変わってもきっとなかなか答えが出せない問題なのだろうな、と思います。

しかしこの映画の女性2人はなかなか気骨のある人たち。観る人が納得する結論を出してくれました。


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