1992年 アル・パチーノの演技が素晴らしい。アカデミー主演男優賞を受賞しました。
あらすじ
ボストンの全寮制高校に奨学金で入学した苦学生チャーリー(クリス・オドネル)は、帰省費用を稼ぐため、アルバイトで盲目の退役軍人フランク中佐(アル・パチーノ)の世話をすることに。
偏屈で口の悪い中佐に困惑するチャーリーだったが、フランクの姪に懇願され仕方なく引き受ける。ある日、同級生が校長の愛車にイタズラを仕掛ける場面を目撃したチャーリーは、激怒した校長から、犯人の名を明かせば名門大学への推薦、断れば退学にすると迫られてしまう。
苦悩しながらアルバイト初日を迎えた彼は、フランクのニューヨーク旅行に強引に同行させられることになり…。https://eiga.com/movie/46249/
感想
アル・パチーノと言えば、ゴッド・ファーザーなどで知られた大御所。若い時は超二枚目俳優。最近ではアイリッシュマンで存在感を見せていました。
ただしなんとなくヤクザか刑事っていう印象が強かったので、「軍人」でしかも盲目の中佐を演じるということで映画公開当時は戸惑ったのを憶えています。
しかしその思いはすぐに消え去りました。圧倒的なアル・パチーノの姿。登場シーンでの心のすさんだ元軍人が酒の入ったグラスをひじ掛けに置き、ガサガサの声で発するセリフ。これがズンと響きました。
この人はこんなすごい役者さんだったんだ、と知ったあのとき。
今回はそれから30年後にふたたび鑑賞です。
若干「長いな」という印象はあるものの、2人の関係がだんだん変化し、それぞれが生き方を見つめ直していく過程がしっかりと描かれ、この長さは必要だったなと納得します。
クライマックスの中佐の演説は圧巻のひとこと。アル・パチーノのセリフは本当に響きます。さすが主演男優賞と言える演技です。ほんとうに感動しました。
邦題に付いている「夢の香り」とは、嗅覚が鋭敏な中佐が、女性のコロンを言い当てるというところから。
香水はフローリスとかミツコとか出てきますが、中佐が最も惹かれた香りの持ち主は若く魅力的な女性で、それは石鹸の香りでした。
その女性と中佐がタンゴを踊るシーンも当時話題になりました。アル・パチーノとガブリエル・アンウォーのとても印象的なシーンです。