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『ビューティフル・マインド』映画のあらすじ&感想

2001年 ロン・ハワード監督。アカデミー作品賞・監督賞受賞。美しい思い出のような映画です。

ビューティフル・マインド (字幕版)

実在したノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュの生涯を描いた作品です。事実をもとにしていますが、事実とちがう個所もたくさんあるそうです。

あらすじ

優秀な数学者のジョン・ナッシュは「この世のすべてを支配できる理論を見つけたい」と研究に没頭し、ついに「ナッシュ均衡」というゲーム理論を発見した。

その才能が認められ、ウイラー研究所という軍事施設に採用されるが、難解な暗号解読をするうちに、精神に異常をきたすようになる。

学生だった女性と結婚するが、総合失調症で幻覚をみるようになったナッシュの生活はだんだん破綻していった・・。

感想

この物語は、ノーベル賞を受賞する数学者の数奇な人生を描いたものですが、その描き方はサスペンス要素もあり、非常にテンポが良く、飽きることが無く最後までいっきに見ることができます。

いつもはアクティブなラッセル・クロウが、よちよちした歩き方で、苦しい内面を表現しています。

それにしても驚いたのは、この時代(1950年代)の総合失調症の治療って、すごい荒っぽくて、びっくりしました。インシュリンの注射してショックを起こさせる療法、ひどすぎます。

結局ナッシュはまわりのささえもあり、すこしずつ症状が回復して、大学で研究を続けました。数々の賞を手にしたナッシュでしたが、ある授賞式の帰りに、乗っていた車の事故で奥さんとともに亡くなってしまいます。

映画はノーベル賞を受賞するまでが描かれています。実際には離婚してまた同じ奥さんと再婚するのですが、ナッシュの病気を離婚しても支えていたのは本当のようです。

とてもきれいな画面で、美しく描かれた映画。ナッシュが見えていた幻覚でさえも、美しい思い出のようです。