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『天才作家の妻 40年目の真実』映画のあらすじ&感想

2017年 原題:The Wife グレン・クローズ主演。あの「危険な情事」の鬼気迫る演技とは真逆の抑えた芝居が素晴らしい。

あらすじ

アメリカの大作家ジョゼフは、ノーベル文学賞を受賞することになった。

妻のジョーン(グレン・クロース)や息子のデビッドとともにストックホルムにやってくるが、周りの人々から栄誉を称えられるにつれ、ジョーンは複雑な思いになるのだった。実は夫妻にはデビッドにも誰にも話していない秘密があった。

数々のジョゼフの作品は、妻のジョーンが執筆したものだったのだ。

そんなときストックホルム行きの飛行機の中でいっしょになったジャーナリストのナサニエル(クリスチャン・スレーター)は、滞在中にも一家に近づいてくる。

ナサニエルはジョゼフの自伝の出版を持ちかけるが、実はジョーンがゴーストライターであることを疑っていた・・。

感想

グレン・クロースとクリスチャン・スレーターとなると何か事件の匂いが・・と思っていましたが、そうではありませんでした。

ゴーストライターである妻のジョーンの心のさざ波を、名女優グレン・クロースがじつに巧みな演技で表現しています。

文章がヘタなだけでなく、浮気性でだらしが無く、まったくしょうもない夫のジョゼフ。しかしジョーンは彼を深く愛しているのでした。

どうしてゴーストライターとして何十年も連れ添ってきたのか。単純ではない夫婦の心の機微を、映画は上手く描き切り、サスペンスな要素があまりないにもかかわらず、なぜかサスペンスを見ているように引き込まれ、ドキドキしてクライマックスを迎えました。

「The Wife」という題が、映画の説明文みたいな邦題になっている残念な現象はしょうがないとして、この映画がサスペンスではなく、人間ドラマであることをもう少し解説した映画紹介がなされてもいいなと思いました。

しかし映画紹介には、「崩壊」とか「秘密」とか事件めいた言葉が無いとだめなんでしょうね。