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『グラン・ブルー』映画のあらすじ&感想/リュック・ベッソン監督が描く最高にかっこいい海の情景

1988年 リュック・ベッソン監督。海そのものがこの映画の主人公。今も伝説のように語り継がれる作品です。

あらすじ

フリーダイバーで潜水の世界記録保持者エンゾ(ジャン・レノ)はある男を探していた。子どもの頃、潜水で一目置いていたジャック・マイヨール(ジャン=マルク・パール)だった。

そのころペルーの山中の凍った湖で、保険調査員ジョアンナ(ロザンナ・アークエット)は、ボンベも付けず潜水を行うジャックと運命の出会いをしていた。

吸い込まれるような瞳に魅せられたジョアンナは、シチリアで行われる潜水選手権に出るというジャックを追って、会社に嘘をつき、ニューヨークからはるばる向かう。

久しぶりに再会したエンゾとジャック。そしてジョアンナ。美しい海を背景に、2人の友情と恋が動き始める。

ジャックは「僕は大会には出ない。君の記録を抜いてしまうから」と皮肉でもなんでもなく話す。そしてほんとうにエンゾの記録を抜いたジャック。だがエンゾも持てる力を振り絞り、記録を塗り替えていく。

一方ジャックと恋人同士になったジョアンナだったが、これまでイルカだけが友達だったというジャックが時々違うどこかを見ているのを感じていた・・。

感想

この映画の主人公は「海」そのものです。あまりにも有名なエリック・セラのテーマ曲。これ以上無いぐらいかっこいいオープニング。ジャン・レノのしゅっとした横顔と背景に輝くリゾート地の青い海。

ストーリーそのものよりも、それらのシチュエーションを楽しむ映画でありました。

美しい海でダイバーと恋に落ちる、美しい女性とシンプルなファッション。イルカたちの印象的なポスター。なにもかもが素敵です。

だから結末がかなり悲しく、「どうなんだろう」と考えさせられる展開なのに対して、エリック・セラの曲調はかっこいいフレーズに終始していますが、それに対して違和感は全く感じませんでした。

この映画を観ることがおしゃれで意味があり、結末を議論する対象ではなかった、というように思います。

もしかしたらそれは主人公のジャック・マイヨール(実在の天才ダイバー)を演じたジャン=マルク・バールの演技力にも起因しているかも。

彼がイルカと泳いでいる姿は印象的ですが、ジョアンナと向き合う彼は、ただの内気な男性です。なかなか決まらなかったというジャックのキャスティング。

あとは海とイルカに委ねよう、とベッソン監督が思ったのかどうか・・。