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『旅立ちの時』映画のあらすじ&感想/リバー・フェニックスの凛々しい姿

1988年 原題:Running On Empty 名匠シドニー・ルメット監督。あのリバー・ファニックスが17歳のときの作品です。

あらすじ

ダニーは明るく野球が好きな普通の17歳。弟と両親で暮らす家族はとても仲がいい。だがこの家族には誰にも言えない秘密があった。

あるときダニーが自転車で家に帰ってくると、近くに黒い車が止まっていた。それも1台ではない。

ダニーは裏庭から弟を呼び、すぐさま両親に知らせそのまま一家は街を出た。

ダニーの両親は数年前の政府ビル爆破に関わり、FBIから指名手配されていたのだ。そのため幼いころからダニーと弟は名前を変え、髪の色を変え、家族で逃避行を繰り返していた。

そんなある日ダニーは音楽のフィリップス先生にピアノの才能があると言われる。さらに大切な恋人もできて、ダニーは自分のこれからの人生について思い悩むのだった。

感想

リバー・フェニックスはこの映画でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。みずみずしく美しい姿は、30年以上経っても色あせることなく魅力的です。

実際の爆破犯の夫婦がモデルとされていますが、この映画はその政治犯の部分ではなく、絆のある家族から、子供が大人になりどのように巣立っていくかというお話しです。

邦題の「旅立ちの時」は映画の主題そのものなのですが、この題はちょっと平凡かなと思います。

家族の愛に包まれていても、子供が大人になるときその愛は独り立ちの邪魔になるばかりでなく、彼自身を孤独にしてしまうものだと、この映画は私たちに伝えています。

普遍的に繰り返すことなのでしょうが、大人は少年時代の自分の気持ちを忘れてしまっているものです。

息子への本当の愛とは何なのか。そのことに両親は、気付いてくれるのでしょうか。