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『プールサイド・デイズ』映画のあらすじ&感想/少年はある出会いによって成長しました

2013年 原題:The Way Way Back(帰り道)   知ってる人は知っている、なかなかいい作品です。

あらすじ

14歳のダンカンは地味な性格で友達も少なく、何に対しても消極的。母親の再婚相手トレントはダンカンにダメ出しばかりで高圧的なため、ダンカンは嫌気がさしている。

夏休みにトレントとその娘、そしてダンカンの母親と海の近くの別荘に出かけたが、まったく楽しくなかった。

あるときダンカンは街でオーウェン(サム・ロックウェル)というプールのスタッフをしている男と出会う。いい加減な話ばかりする不思議な人物だったが、自転車でふらっと立ち寄ったプールで再会し、ダンカンはその明るさに少しずつ心を開く。

その後ダンカンはプールでアルバイトをすることになる。オーウェンやプールの同僚たちと仕事をこなせるようになると、ダンカンは自信を持つとともに変わっていった。

そのことは、母親やトレントとの関わりにも少しづつ影響していくのだった。

感想

ダンカンは海へ向かう道では死んだような目をして車に乗っていました。しかし帰り道、同じシートに乗り、同じショットで映りますが、人が変わったように生き生きとした目をしています。

「帰り道」という原題の深さがここにあります。

いい加減で面白い人のオーウェンは天才俳優サム・ロックウェル。オーウェンという天使のような存在の人に導かれて、14歳の小心だったダンカンはしっかりと成長していきます。

青春時代、こういう出会いがあってダンカンは幸せだったけれど、そんなことばかりではありません。

自分の世界を広げてくれる人を待たずに、自分から求めていかなくては素晴らしい出会いはないのです。でもなかなか一歩が踏み出せないのが現実です。

ダンカンが成長していくのに気付き、アルバイト先でのダンカンの様子をはじめて知った母親は、とても驚きます。そしてダンカンにつられるように母親自身も成長します。最後には2人してとてもいい表情になるのです。

少年のひと夏の成長物語。展開が少しまどろっこしく感じた部分もあったけれど、でも最後には気持ちが温かくなりました。


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