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『バベル』映画のあらすじ&感想/東京編はいらない

2006年 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 パシフィック・リムの菊地凛子のハリウッドデビュー作。この映画で光過敏性発作が起きたという社会問題があったので、ちかちかする場面は飛ばして観ました。
バベル (字幕版)

あらすじ

リチャードはモロッコ旅行中に観光バスの中で銃撃され妻が怪我をしてしまう。

その銃は3キロ先まで届くライフルで、モロッコの山奥の子供たちが父親から預かって、家畜を襲うジャッカルを追い払うために持っていたが、遊びでバスを狙ってしまい、命中したもの。

事件はテロと騒がれ、妻はなかなか病院に運べず、一方撃った子供の一家は地元警察に囲まれ、大変なことに。

撃たれた夫婦はアメリカで子供たち2人を乳母に預けてきていた。しかし帰国が遅れたため、不法就労者である乳母は子供たちを連れてメキシコの親戚の結婚式に出かけ、そこで思わぬ災難にあい、不法就労がばれてしまう・・。

感想

で、東京の菊地凛子がどう関係するかというと、その父がたまたまモロッコにハンティングに出かけ、山奥の案内人にライフルをプレゼントして帰ってきた・・という、結構うすい関係。

公開当時から、「意味が分からない」とか、「日本人には宗教的に理解できない」とか、「日本のシーンはいらない」とか、ネットで叩かれましたが、なるほどそうかもしれないです。

東京編が無いほうが、おそらくこの映画はもっと評価されることでしょう。モロッコで起きた不幸な事件と、アメリカの国境で起きる出来事。その見事な交錯によって、物語が編み込まれていきます。

これだけでじゅうぶん素晴らしいです。東京編はいらないです。

バベル、という意味深ないい題が付いているのに、とても残念です。