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女王陛下のお気に入り/映画のあらすじ&感想/細部まで凝っている

原題:The Favourite 日本では2019年2月に公開されました。どの批評サイトを見ても絶賛されており、一般の方たちのレビューも概ね「傑作!」と褒めたたえています。音楽が怖い。

あらすじ

18世紀のイギリス。フランス王国との戦争が続き、国は疲弊していた。女王のアン(オリヴィア・コールマン)は病弱で頼りなく、国王としての仕事も長年の側近のマールバラ侯爵夫人サラ(レイチェル・ワイズ)の助けがなければ務めることができない。アンはすべてのことをサラに頼っているのだった。

ある日アビゲイル(エマ・ストーン)という没落した貴族の娘が下女として城に雇われる。アビゲイルは汚い女中部屋に寝起きするが、いつか昔のような貴族の生活に戻ることを心に秘めていた。

目的のためなら手段を択ばないアビゲイル。馬で城を抜け出し薬草を摘み、痛風で苦しむ女王の寝所に忍び込み、足に薬草を塗るのだった。下女が女王の寝所に入るなどありえないことだったが、「痛みが薄らいだ」という女王の言葉で、アビゲイルは女王のそばに取り立てられ、部屋も与えられる。

そうしてどんどん女王に近づくアビゲイルを、サラは疎ましく思い、追い出そうとする。政治にまで影響力のあるサラだったが、アビゲイルは巧妙にアン女王に取り入っていくのだった・・。




感想

アン王女、サラ、アビゲイルの3人の女優がとにかくすごい。エマ・ストーンの眼はどうしてあんなに鋭いのでしょう。レイチェル・ワイズとの静かだけど激しい戦い。

そしてアン王女を演じたオリヴィア・コールマンの「どこまで引き出しがあるの!?」という演技力。不摂生がたたり痛風や胃病に苦しみ、また精神的にも不安定な人物像を圧倒的な存在感に作り上げました。そしてその演技には余裕があるのです。実に素晴らしいです。

また宮殿の中の設えや、衣装、光の使い方などがとてもおしゃれで凝っています。そういう細部にこだわった画面を見ると、なぜか安心します。なぜだろう、この映画はちゃんと手が込んでるぞって思うからでしょうか。

また音楽と音響効果が凄い。いま流行りの音楽なのか音響効果なのかという、BGMが実に怖い。ずーっと鳴り続けて効果的な「ダンケルク」みたいのとは正反対の、ピアノの音がポン、ポンと鳴っていく、それがまたすごく怖くて。

そして下から写す感じの画面が、なんとも人間の(女の)怖さをあおる。脇役の男たちの浅はかさが際立ってくる。人間としての女の怖さがここまで描かれたか、という感じです。

それにしても、英国の王女をあのような人物に描いて大丈夫なんでしょうかね・・。

あのエンディングを、見た方はどう解釈したのでしょうか。いちばん怖いのは女王だった、ということでしょうか。オリヴィア・コールマンの演技に脱帽です。


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