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『レディー・バード』映画のあらすじ&感想/絶賛された映画

2017年の作品の中で、もっとも世界で絶賛されました。17歳から18歳になる女性の成長を描いた作品です。ゴールデングローブ賞など、いろんな賞を受賞しました。

レディ・バード (字幕版)

あらすじ

サクラメントで家族4人で暮らす17歳のクリスティンは、自分のことを「レディー・バード」と名乗っている。

事あるごとに母親に説教され、ニューヨークの大学に行きたいと言っても反対されている。それでも親友や恋人とのハイスクールでの生活はいろいろ充実していた。

父親はインテリだったが、勤め先を解雇され、家計は火の車。何かにつけて節約するように母親に注意される毎日。

精神科医として仕事と家事を立派にこなす母親のことを、クリスティンはほんとうは尊敬しながらも対立してしまう。

自分の家がある場所を「スラム」と表現し、親友や恋人とも心がすれ違う出来事があり、クリスティンの心は閉塞感に満ちていた・・。

感想

このような日々が自分にも少しあったかな、と誰もが思う、ほろ苦い青春時代のお話。お母さんと喧嘩ばっかりだとか、そうでなければお父さんと口を利かなかったとか、そういう時ってありますよね。この映画ではお父さんは家族の中では一番の味方です。

そんな毎日が、ユーモアも交えてとてもテンポよく展開します。いろいろあっても、自分の意思をしっかり持っているレディー・バード(クリスティン)。鳥のように飛び立ちたい、ということだったのか、名前の由来は特に出てきませんが、このタイトルからは若い女性が羽ばたこうとする姿を連想できます。

決して暗い映画ではなく、淡々と毎日が描かれている話なのですが、そのテンポがとても軽快で、小気味よく進むので、クライマックスまで息つく間もなく進みます。

思い起こせば、自分はこれほど自分の意思を表に出せないタイプだったので、この時代に戻ってこんなふうに生きてみたい、とあこがれてしまいます。

実は自分が母親に口うるさく管理されていたので、子供たちにはそういう思いをさせまいと少し放任主義でした。でも、雨が降って地が固まるような、そういうことってやっぱりあるような気がします。とにかく会話すること。これはとても大切なことだと思います。